あなたの院に「足から健康」の新常識を:5本指インソールの可能性
今日の治療院経営において、患者様の多様なニーズに応え、より質の高い施術を提供することは不可欠です。そんな中、足元から全身のバランスを整える「5本指インソール」が、柔道整復師の先生方の新たな武器となり得る可能性を秘めていることをご存じでしょうか。今回は、開発者である株式会社レーブ代表の中川氏をお招きし、この画期的なインソールの魅力と、臨床現場での活用法について語っていただきました。
対談者紹介
中川 智 氏
株式会社レーブ 代表
増田 進吾
アトラグループ株式会社 柔道整復師
※本記事は、対談インタビューの内容を、読者の皆さまに分かりやすくお伝えするため、一部表現を調整し、要点をまとめて再構成したものです。
目次
既存概念を覆すインソールの誕生
増田: 実は、この5本指インソールを初めて目にした時、個人的には「やられたな」という衝撃を受けました 。私自身、患者さんの足に合わせてインソールを作れないかと試行錯誤した経験があります 。
シーネのような素材を検討したこともありますが、厚みや硬さ、脆さといった素材の問題が大きく、製品化は非常に困難だと感じていました。だからこそ、実際に製品化されて世に出たことに喜びを感じ、使ってみて「これは良い!」と確信しました。
中川氏(以下、敬称略): 従来のインソールは、靴の中の指の隙間まで完全にフィットしないものがほとんどでした。
しかし、この5本指インソールは特殊な素材でできており、まるで液体が足の隙間に流れ込むように、足裏全体にピタリと馴染む感覚があります。
これにより、靴がまるで足の一部になったかのような一体感が得られます。特に、外反母趾の患者さんの場合、外足部にもしっかりとサポートが生まれる効果が期待できます。
足指の機能覚醒がもたらす全身への好影響:臨床現場の課題解決

増田:臨床では、高齢患者に多く見られる足指が使えない「浮き指」が、立位や歩行時の不安定感、膝・腰の痛みに繋がっています。従来の施術では足指機能の根本改善が難しい現状です。
しかし、この5本指インソールを履くことで、足指の神経が刺激され、指の使い方が維持・回復し、衰えた筋力も機能が復帰します。患者が意識せずとも指が自然に使える状態を作れるのは、柔道整復師として非常に価値があります。
中川:足指が使えない患者はかかと重心になりがちで、バランスを取るために顎が出て猫背になる傾向があります。
インソールで指をしっかり使えるようになると、姿勢が改善され、背骨のS字湾曲も正常に近づく可能性があります。
また、ヒールによる開張足から誘発される外反母趾に対しても、U字のカップ構造が誘発緩和に寄与します。私自身も浮き指や靴の中の足の遊びに悩み、身体の連動性が損なわれる経験をしました 。
このインソールは足の「潰れ」を防ぎ、疲れや骨の崩れをなくすことで、全身の不調改善や魚の目などの予防にも繋がります。
増田:このインソールは足の安定感を格段に向上させ、既存の痛みだけでなく、将来的な身体のリスク回避にも役立つと考えられます。
足の悩みがない人にも勧める理由:予防医療と足育の視点
増田:足に直接悩みがない方にもこのインソールは有効です。例えば、腰痛の原因が足指の踏ん張り不足による歩行時の横ブレにあるケースは多く、足自体に痛みはなくても安定感の悪さが腰痛に繋がっていることがあります。
また、足指が使えないとバランスが悪くなり、横アーチが潰れて外反母趾になりやすいなど、足部の状態は全身に影響を与えるため、足に悩みがない方にも導入価値があります。
中川:小学校低学年の子どもたちでも、成長と共に足の形が崩れてくることが多いため、足が崩れていない時期からのインソールによる保全が重要です。
現在、キッズ向けインソールで足型が潰れない「保全療法」を試験的に行っています。
増田:従来のインソールが、足指が使えないために無理に形に合わせるものだったのに対し、このインソールは足自身が正しく歩き、自分で動きを作ることを目指しています。
足指を使うことでふくらはぎの筋肉が連動し、土踏まずの腱を引っ張ることでアーチが育つ連鎖が生まれます。このような足育は将来的な外反母趾や膝の変形リスクを減らす価値があります。
実際に、70歳前後の患者さんで痛みの軽減や歩行距離の伸長、「足指が使える」「足底が成長している」といった声が整形外科から聞かれています。
導入のしやすさと患者さんの高い満足度

中川:従来のオーダーメイドインソールは、完成まで2?3週間かかり、コストも4?5万円と高額です。また、50万?100万円の高額な設備投資や3?4時間の製作時間が必要でした。
しかし、この5本指インソールは「お湯とタッパー」だけで初期費用がほとんどかからず、15?30分程度で製作可能です。これにより作業が効率化され、提供コストも抑えられます。
増田:その手軽さが素晴らしいですね。お湯で温めて靴に入れ、お客様に立ってもらうだけなので、まるでカップラーメンを作るくらい簡単です。
一般的なインソール製作の難しいイメージとは異なり、この5本指インソールは誰でも簡単に製作でき、院長だけでなくスタッフや受付の方でも対応可能です。
中川:15分の所要時間中、お客様に立っていただく時間と温め時間で約10分を占め、スタッフの実際の作業時間は約5分と非常に少ないです。
患者さんからは「前面がしっかりフィットして気持ちいい」という感想が最も多く、歩行への不安感も軽減されます。足裏の触れる面積が増えることで安定感が増し、数日履いた後に元の靴に戻すと「スカスカに感じる」「不快感がある」と、フィット感の重要性を実感される方が多いです。
効果を最大限に引き出すためのテーピング活用

増田:患者さんの足を直接見ずにインソールを作ることはできませんし、お勧めできません。必ず靴下を脱いで足指の状態をしっかり確認することが重要です。
特に、外反母趾などで足が変形している方の足型をそのまま取りたくないというのが、私たち術者の正直な心理です。
そこで推奨しているのが、簡単なテーピングを用いた一時的な補正です。外反母趾や内反小趾がある場合、テーピングで一時的に補正し、横アーチをある程度作った状態で足型を取ることを推奨しています。こうすることで、インソールが履いている間、足を正しい位置に調整し続けてくれるのです。
私自身も以前から足指の悪い患者さんにテーピングをしていましたが、延々と巻き続けなければならないテーピングはナンセンスだと感じていました。
一度正しい状態でテーピングし、その足型を取ることで、装着している間は矯正効果が持続するインソールが作れることを目指していたのです。
テーピングは基本的に1本で十分です。身体への変化が強すぎると患者さんが違和感を覚えやすいため、最小限の調整で「ちょっとだけ補正する」くらいの気持ちで簡単なテープを使っています。
中川:先生がおっしゃるように、横アーチが潰れている方には、テーピングで少し抑えて型を取ることで、インソールが足裏サポーターのような機能を発揮し、横アーチの潰れを抑えることができます。
従来のインソールは、足をインソールに合わせる方法だったのに対し、このインソールは足に寄り添ってくれる形になります。
そのため、足崩れがある方や、例えば右足が少し内側に入っているような患者さんに対して、テーピングで調整を加えてからインソールを作成するという方法は、より効果的なアプローチだと言えるでしょう。
スポーツパフォーマンス向上への貢献:確かな実績と説得力
増田:野球のイチロー選手も裸足で足裏感覚を調整していたように、この5本指インソールは足裏感覚を高精度に刺激し、様々なスポーツのパフォーマンス向上に良い影響を与えます。
中川:開発から1年半ほどですが、元アスリートの私も含め、アスリートの使用率が非常に高いです。指先で体をコントロールするアスリートにとって、このインソールはスパイクのような「掴みしろ」を生み出し、ゴルフのスイングスピード向上やウエイトリフティングでの安定感増に貢献します。
昨年12月には78歳の方が141キロを持ち上げ世界記録を樹立し、「足裏が潰れないだけで膝が安定する」と語っています。
ゴルフでは、ドラコンプロの飛距離が約30ヤード以上伸びた実績があり 、プロゴルファーからは「足裏の接地面が多く傾斜が掴みやすいぶん、土台が安定し体が振りやすくなった」という声も 。年配ゴルファーからは「足がつらなくなった」という声が多数聞かれます。
自転車競技では、靴の中で1cm滑る動作が1分間に90回繰り返されると1mのロスとなるため、このインソールの効果は非常に分かりやすいです。
プロ選手のテストでは、コンディションがピークでもタイムやパワーが約3%向上。今年度の国内自転車競技プロシーズン3戦中2戦で、5本指インソール使用者が勝利しています。
プロ野球選手、モーグル、バスケットボール、トレイルランニングなど、多岐にわたるスポーツでの導入実績があり、世界のトッププロにも効果が実感されています。
5本指インソール QA

Qインソールが変形することはありますか?
中川:直射日光やシューズドライヤーにかけるといった特殊な状況でない限り、変形することはありません。ただし、スポーツをされている方の場合、表面がヘタってきたり、生地がすり減ってきたりすることはあると思います。
Qすり減ってきたと感じたら交換時期でしょうか?
中川:人間の骨の4分の1が足裏にあるように、足も正しく使うと成長します。歯の矯正のようなイメージで、推奨としては3ヶ月から半年で交換していただき、常に正しい足の位置を作り続けていくのが良いでしょう。
私自身の経験から、通常の運動範囲であれば素材的に壊れることはあまりありません。靴の方が先に底が減ってきて、靴のせいで骨盤が崩れたりすることがありますので、靴と一緒に1年?1年半で買い替えていただくのが一番良いと思います。
Q靴ごとに5本指インソールを作った方が良いですか?
中川:靴のワイズ(幅)やつま先の形が異なると、指の位置や足の形、さらには靴の側面の形も変わってきます。ですので、理想を言えば、靴に合わせて1足ずつインソールを入れて安定させるのが100点だと考えます。
Q付属の調整パッドは必要ですか?
増田:足の形がそれほど崩れていなければ、基本的に使う必要はないと思います。調整パッドが必要なほど体が崩れているということは、足指が使えていないことが原因だと考えられます。
しっかりと指が使える状態が作れれば、足のアーチは患者さんご自身で自然に作っていけるものだと考えます。まずは調整パッドなしの5本指インソールを使ってしっかり歩いてもらい、その後の経過で必要であれば使用を検討すべきです。
【対談動画】動画本編はこちらからご覧いただけます
【足から健康の新時代へ】5本指インソール開発者 × 柔道整復師 対談〈総集編〉
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たった15分で完成!フルオーダーメイドインソールの製作過程を全公開!<5本指インソール>
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