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腸腰筋を鍛えても「使えなければ」不調は取れない?
2020.09.09

腸腰筋を鍛えても「使えなければ」不調は取れない?

上半身と下半身を繋ぐ唯一の筋肉である腸腰筋は、施術者からすれば馴染みの深い筋肉であり、施術結果がうまく出ないことがある筋肉でもあります。EMSなどでアプローチしても不調がぶり返す、自分が計画したように身体が改善に向かってくれないと悩む先生も多いです。 実は、「EMSで腸腰筋を鍛える」ことがゴールではありません。その先にある、「腸腰筋を使える状態にする」ところまでアプローチしなければ、不調の緩和にはつながらないでしょう。大詰めの部分を知り、実践するだけであなたの悩みが解決できるかもしれないのです。

目次

・腸腰筋の基礎知識
・歩行時の股関節屈伸
・インナーマッスルを鍛えても痛みがぶり返すのは
・患者に腸腰筋を「使わせる」ことが大事
・腸腰筋のストレッチ方法を動画でチェック

腸腰筋の基礎知識

腸腰筋は、腰椎から大腿骨までを繋ぐ筋肉です。1つの筋肉を指すのではなく大腰筋、小腰筋、腸骨筋をまとめて腸腰筋と総称しています。小腰筋に関しては、退化してほとんど存在していない方もおられるようです。腸腰筋は腹腔の後ろ側にあるため深層筋(インナーマッスル)とも呼ばれます。

大腰筋
起始 第12胸椎~第4腰椎の椎体外側面
停止 大腿骨小転子

小腰筋
起始 第12胸椎〜第1腰椎の椎体外側面
停止 腸骨隆起と周辺筋膜

腸骨筋
起始 腸骨窩と下前腸骨棘
停止 大腿骨小転子部


大腰筋は背骨の下部から大腿骨、小腰筋は背骨の下部から骨盤付近、腸骨筋は骨盤と大腿骨を繋いでおり、人体の中で唯一、上半身と下半身を繋いでいる筋肉です。腸腰筋は、主に3つの働きがあり、

・股関節を屈曲させる働き
・腰椎をS字型に安定させ重力に対して姿勢を保つ抗重力筋としての働き
・骨盤の位置を安定させる働き、など

スポーツの分野だけでなく歩く、走る、足を踏ん張るなど、日常生活で行う動作にも腸腰筋は重要な役割を果たしているのです。

歩行時の股関節屈伸

腸腰筋は太ももを上げたり、股関節を動かしたりする運動機能と関係が深い筋肉ですが、歩行の場合、大腰筋と腸骨筋の股関節屈伸の仕組みは少し違います。

歩行周期のTst(ターミナルスタンス:立脚終期)において、観察脚(後ろ足)のつま先を支点とし重心を前方に移動させると、股関節が受動的に伸展することになります。その時、観察脚側の大腰筋に遠心性収縮が起こります。その後、観察脚の前方に振り出す際、遠心性収縮によって伸びていた大腰筋の屈曲する力が強力になり、大きく一歩踏み出すことができます。すると今度は、反対側の脚の股関節が伸展するのです。

股関節の伸展が不十分だと、足関節底屈による蹴りだしで重心を前方に送り出すことになるので、身体の重心が上方に向かうため腰椎伸展が起き、股関節伸展が上手くできなくなります。

また、股関節の屈曲の場合は、股関節屈曲が約45度以上にならないと求心性収縮で大腰筋が作用しないのですが、大腰筋はいきなり求心性収縮を生むことが難しいのです。そのため、一度、遠心性収縮を予備動作として入れることで上手く活用することができるでしょう。

ゴムを強く引っ張ると、その反動で戻るときに強いパワーが産み出されますが、大腰筋も同じようなイメージです。股関節がしっかり伸展できていれば、屈曲するときのパワーも大きくなります。

腸骨筋は、大腰筋とともに股関節屈曲を行いますが、大腰筋と違い背骨とつながっていないため、直接股関節に作用し、純粋に足を上げる動きを行います。


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