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人体における蝶形骨の機能とは
2019.12.25

人体における蝶形骨の機能とは

頭蓋骨は、15種類23個の骨が、パズルのように組み合わさって形成されています。蝶形骨は、その頭蓋骨の中心にあり、正面からみると蝶が羽を広げた形をしています。 <目次>◆蝶形骨は身体全体に影響する ◆蝶形骨は実際に動くのか

蝶形骨は身体全体に影響する

蝶形骨は、頭蓋骨を形成する骨のうち9種類の骨と接合しているだけではなく、筋膜を通して横隔膜等ともつながっています。そのため、蝶形骨に問題が生じると身体全体に様々な影響が表れることになります。

咀嚼筋の一部である外側翼突筋と内側翼突筋は、蝶形骨を起始部としています。蝶形骨は顎関節の開閉や左右バランスを調整など、口の開閉に関して重要な役割を担っています。また、12対ある脳神経の半数以上は、蝶形骨の孔や蝶形骨と接している骨と骨との隙間を通っており、一つ例をあげるとすれば、視力に関わる視神経もその1つです。左右で視力が大きく異なる場合は、蝶形骨のバランスが崩れている可能性も考えられるとも言われています。


蝶形骨は自律神経とも深く関わっています。現代人はストレスから交感神経が優位になりやすく、心身ともに緊張している状態が多くなっています。交感神経優位になると、心身が興奮状態になり、すぐ活動できるようにと前傾の態勢となり、首や肩がすくみ全身の筋肉がこわばります。歯の食いしばりを誘発させてしまい、口の開閉に関わる蝶形骨に悪い影響を与えてしまいます。ホルモンバランス等も崩れやすくなり、深い睡眠を取ることができず疲れが抜けないためストレスが溜まり、また交感神経が優位になる、という悪循環に陥ります。


心身をリラックスさせるためには、副交感神経が活動できるようにする必要があります。患者さまに腹式呼吸等を指導し、心拍数が速くならないよう深い呼吸を覚えてもらうことで交感神経優位の時間をなるべく少なくしてもらいましょう。

蝶形骨は実際に動くのか

頭蓋骨も含め、「骨=硬い」というイメージがあるかもしれませんが、生体の頭蓋骨は「強度の高い段ボール」「かぼちゃ」ほどの硬さとも言われています。頭蓋骨は骨の中でも比較的柔らかい方なので、衝撃や持続圧、筋肉の収縮の影響により動いたり歪みが生じるといってもうなずけるのではないでしょうか。

蝶形骨がずれて捻れが生じると、接合する骨との距離が適正ではなくなり、脳神経や頭蓋骨に問題が生じます。蝶形骨の歪みから身体全体の歪み等に影響を与えることも考えられるので、原因不明の病気やなかなか緩和しない症状等の原因の一つになると考えられています。


また、蝶形骨の一部であるトルコ鞍には脳下垂体を収納しており、下垂体からはさまざまなホルモンが分泌されるため、生体の機能維持を司っている非常に重要な役割を担っています。


◆分泌されるホルモン
成長ホルモン
甲状腺刺激ホルモン
副腎皮質刺激ホルモン
性腺刺激ホルモン(卵胞刺激ホルモン・黄体形成ホルモン)
プロラクチン(催乳ホルモン)
抗利尿ホルモン
オキシトシン(射乳ホルモン)


なかなか症状の緩和が見られない患者さまには、蝶形骨のバランスが崩れることによって身体に影響が出てしまっているのかもしれませんので、蝶形骨の可動やポジションなどのチェックをしてみてはいかがでしょう。




※本記事中、意見・考察に亘る部分は、著者の個人的見解であり、著者が所属し、又は過去に所属したいかなる団体の意見等を代表するものではありません。

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