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「我包帯す、神、癒し賜う」

アンブロワーズ・パレは、フランスの王室公式外科医です。近代外科の発展において、重要な功績を残しました。整骨術に関する著書は、日本の外科医療に多大な影響を与えました。医学史家から「優しい外科医」と評され、自身も「我包帯す、神、癒し賜う」という言葉を残しています。

フランスの王室公式外科医、アンブロワーズ・パレ

アンブロワーズ・パレは、身分の低い床屋医者出身で、直接創傷に触れ治療をする外科医でした。当時、医者と言えば内科医を指し、床屋医者はそれよりも一段劣ると考えられていました。医学は学術というよりもお家芸に近く、麻酔法や治療法などの技術の蓄積はほとんどなく、人体解剖も忌避されていました。医者は解剖をせず、床屋医者が行なった解剖の内容を聞き、従来の研究書と見比べるという状況だったと記されています。

1537年、パレは軍医として従軍したフランス軍のトリノ遠征で兵士の治療にあたっていました。当時銃創の治療には煮えたぎった油を傷口に注ぐという治療法(焼灼止血法)が一般的でした。

ある日のこと、怪我人が多かったため、油を使い切ってしまいました。そこで急遽パレは間に合わせの軟膏(レシピの詳細不明、卵白とテレピン油、ワセリンなどと伝えられることが多い)を用い治療を行ないました。従来とは異なる治療を行なったパレについて、一晩中神に祈っていたとも、不安で眠れなかったとも伝えられています。

しかし、時間の経過とともに煮沸油よりもこの軟膏による治療の方が苦痛が少なく予後も良いことがわかり、パレは次第にこちらの治療に切り替え始めました。兵士からも受け入れられ、パレの名は広く知られるようになりました。

こうした現場における試行錯誤の結果、銃創治療以外にも血管を直接糸で縛って止血する「血管結紮法」を編み出す外科治療を変革し、「近代外科学の祖」と讃えられていました。パレの有名な言葉に「我包帯す、神、癒し賜う」という言葉があります。



アンブロワーズ・パレ(Ambroise Paré, 1510年 - 1590年12月20日)

アンブロワーズ・パレは、フランスの王室公式外科医。近代外科の発展において重要な功績を残した。また、整骨術に関する著書はオランダ語訳を経て華岡青洲の手に渡り日本の外科医療に多大な影響を与えた。医学史家から「優しい外科医」と評される。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
(2019年8月閲覧)

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