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接骨院で心掛けるべき衛生管理と感染症対策

コロナウイルス感染症が猛威を振るう中、接骨院ではどのような感染予防対策を立てておられるでしょうか。コロナウイルスが流行に伴い「この施設。商品は除菌・殺菌されていれているのか気になる」という方が増加してきています。今回は、感染対策分野のスペシャリスト、川村 和美先生に、接骨院で実施すべき衛生対策についてお伺いしました。(2017年6月23日公開 2020年4月8日編集)

無菌状態が必ずしも良いとは限らない?

>>新型コロナウィルス感染症に関する接骨院の衛生対策はこちら


スタッフ) 「衛生管理」がテーマなのですが、本題の前にひとつ、僕が疑問に感じている点がありまして、先生のご見解をお聞かせいただきたいと思います。

最近、「抗菌」「除菌」といったことが必要以上に騒ぎ立てられているように僕には見えるんです。でも、菌というものは体内に取り込むことで免疫が強くなるという点もあるのでは…と僕は思っています。あまりにも無菌状態で育ってしまうと、免疫力の低下につながるのではないかと。現にすぐに病気にかかってしまったり、身体の弱い子どもが増えているように感じるのですが、いかがでしょうか。

川村) ご指摘の理由で、私自身も無菌状態が必ずしも良いとは思っていません。以前、比較的抗菌の都市部の環境で育った私の子どもと、田舎の山間で育った従兄弟の子どもが、ゴールデンウィークを一緒に過ごしました。ゴールデンウィーク明けに、息子は重度の溶連菌感染症に罹患して大変な目にあったのですが、従兄弟の息子はなんともなかったのです。この例のように、行き過ぎた抗菌や無菌状態は免疫力を低下させるでしょう。その一方で、世の中は「抗菌や無菌の方が安心安全だ」という考え方になっているのは事実だと思います。

スタッフ) TVCMなどでも、「まな板にこんなに菌が!」というようなものをよく見ます。不安を余計に煽るような広告も増えてきている気がします。最近、電車のつり革に触れないという方も増えてきているようで、潔癖症を助長しているのではと感じます。

川村) 「菌がいた方が良い」というのは、現代の方には受け入れづらいとは思います。「賞味期限が切れると食べられない」という方もたくさんおられるのではないでしょうか。でも、常在菌のように病原性を示さない細菌もいますし、中でも善玉菌などは私たちの健康の維持に必要な細菌です。

清潔感を求める時代

スタッフ) 医療に携わる方は、恐らく「菌はいた方がよい」という考えや感覚をお持ちの方が多いと思います。でも今は、無菌が好まれる世の中であるという事実は、我々柔道整復師も受け入れなければならないことなのでしょう。「清潔感を求める」というのでしょうか。例えば、接骨院ではタオルを患者さんにかけて施術を行うのですが、前に施術した人に使っていたタオルを使うのは嫌という感覚も同じなのでしょうか。

川村) タオルに関して言えば、細菌の有無よりも、前の人の皮脂や汗、十分に洗髪されていない髪などが生理的に受け入れられないという気持ちが大きいのではないでしょうか。

私はエステに行くのですが、女性顧客ばかりだからか、意外と一日そのままのタオルといった雰囲気の店舗が少なくありません。前の人が例え女性であっても、女性だから清潔というわけでは決してありませんので、都度、清潔なタオルを出してほしいです。

スタッフ) なるほど。接骨院では最近は高齢者向けというより、若い女性向けの施設が増えてきていますから、同じことが起きていそうですね。病院では毎回必ず取り替えるということも聞いたことがありますが、これはどうでしょうか。

川村) 病院の場合は、シーツもタオルも、一度でも患者さんが使用したものはすべてクリーニングされます。手袋や注射針も使い捨てで、次の患者さんには必ず新しいものを使います。内科で喉を見るときに口の中に入れるヘラや、歯科で使用する器具類は、ガス滅菌をして一つずつ袋詰めされています。

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