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股関節へのアプローチ
2015.09.26

股関節へのアプローチ

股関節に変位があると、膝や肩に比べてかなりの痛みが発生するため歩けない状態となってしまいます。特に女性の方にこの変位は多く、接骨院(整骨院)・鍼灸院に来院する患者様の中にも多く見られるのではないでしょうか。しかし、実は痛みは大きいものの、股関節の痛みに対する施術・アプローチは意外と簡単に行えて、痛み・・・

股関節に変位があると、膝や肩に比べてかなりの痛みが発生するため歩けない状態となってしまいます。特に女性の方にこの変位は多く、接骨院(整骨院)・鍼灸院に来院する患者様の中にも多く見られるのではないでしょうか。しかし、実は痛みは大きいものの、股関節の痛みに対する施術・アプローチは意外と簡単に行えて、痛みの軽減にもつなげることができるのです。

今号の施術メソッドでは、この膝関節に対するアプローチについてお話しさせていただこうと思います。

股関節は、上半身と下半身をつないでいる大切な関節となっています。受け皿である骨盤側のくぼみ(=寛骨臼)に、大腿骨の先端部(=大腿骨頭)がはまり込むような形の、至ってシンプルな構造ではありますが、とにかく体重による加重がかなりかかりますので、少しでもその構造のバランスが崩れてしまうと痛みが発生してしまうのです。

特に股関節の調整で間違いを犯しやすいのが、殿筋等のストレッチや施術・アプローチで無理に動かそうとしてしまうことです。

股関節の調整時には、股関節の可動性を保ちながら身体の荷重に対して安定性を保ってくれる筋肉をうまく働かせるようにしないと、股関節の痛み・変位だけではなく、それに連なって腰や膝などにもさまざまな問題を起こすことになってしまいます。二足歩行に必要となる安定性を保つ筋肉が、しっかりとその働きをしてこそ人間の股関節はその役目を果たしているからです。無理に伸ばしたりするのではなく、軸圧を加える調整を試みてみるのがよいでしょう。

あと忘れてはならないのが靭帯です。股関節を覆っている靭帯はとても強力で、3つの靭帯からなります。

●腸骨大腿靭帯

●恥骨大腿靭帯

●坐骨大腿靭帯

この中でも特に、腸骨大腿靭帯は身体の中でも最強の靭帯であり、とても強力です。姿勢変位の中でも、股関節が前方へ変異しており、骨盤が重心ラインより前方に位置した「スウェイバック(swayback)」といわれる姿勢などは、弱化した股関節の支持筋の代わりに、この腸骨大腿靭帯で体重を受け止めているような状態になっています。スウェイバックは特に女性に多くみられ、股関節を曲げる筋肉(腸関節など)をあまり使用せず、お尻の筋肉(大臀筋など)の筋力の弱化が見られる姿勢変位です。ひどくなると、膝を曲げていないとまっすぐ立つことができないこともあります。この状態は特に高齢者に多くみられる姿勢ですね。
基本的に靭帯というものは、それ自体が収縮することはないのですが、運動時の方向性の制御に大きく関与しているため、特にこの3つの靭帯同士にバランスの悪さが生じると、骨頭が正常に動かず股関節周辺の痛みが現れている場合が多いようです。この痛みは、間違った形で殿筋や外旋六筋等をストレッチするなどして、股関節を深く曲げた際に生じてしまう前面鼠けい部の痛みが主です。これらの痛みの原因として考えられるのは大腿骨頭の前方への滑りです。後方部の組織を伸張する際に単に股関節を深く曲げていくだけのストレッチ・施術・アプローチでは、結局大腿骨頭が前方に滑っていくだけで伸張できていない場合があります。

こういう場合は、軸圧をかけながら曲げていくと驚くほどスムースに動き始めるものです。また、後方で制御して硬くなっている殿筋や外旋六筋は無理にストレッチ・施術・アプローチするのではなく、カウンターストレインなどの方法で、逆にやわらかくパワーのあるしなやかな状態に導いてあげる必要がありますね。

先生方としては、もちろんこの股関節の可動域と安定性を考慮しながら施術・アプローチを行うことが必要ですが、患者様自身が無理なストレッチなどをして、痛みを生じさせていることがないか、しっかりとヒアリングし指導していくようにしましょう。

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