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腰椎椎間板ヘルニア
2010.08.02

腰椎椎間板ヘルニア

皆さんは腰椎椎間板ヘルニアという病気を当然ご存知ですよね?椎間板ヘルニアとは、青壮年期に好発し背骨のクッションである椎間板の中身(髄核)が後方へ突出(脱出)し脊髄神経及び、神経根を圧迫して腰痛や坐骨神経痛、しびれ、麻痺などの下・・・

ヘルニアの症状と向き合う


皆さんは腰椎椎間板ヘルニアという病気を当然ご存知ですよね?
椎間板ヘルニアとは、青壮年期に好発し背骨のクッションである椎間板の中身(髄核)が後方へ突出(脱出)し脊髄神経及び、神経根を圧迫して腰痛や坐骨神経痛、しびれ、麻痺などの下肢症状を引き起こす状態です。
従来椎間板ヘルニアの治療は、飛び出した髄核を取り除き、神経への圧迫を軽減させるという手術が行われてきました。

現在、最も一般的に行われているLOVE法をはじめとして、経皮的髄核摘出術、レーザーによる腰椎椎間板除圧術、腰椎固定術など、色々な手術法が行われてきましたが、保存療法と比較しても手術後4年以上経過すると、その治療成績に差がないといった報告もされています。近年、CTやMRIなど画像診断の発達に伴い脱出したヘルニアの自然縮小例が多く報告されており、またまったく腰痛などの症状がない人でも、5人に2人は画像上ヘルニアの所見が見られるという事もわかってきました。
なぜヘルニアが小さくなるのかというと、生体内異物反応により脱出したヘルニアが炎症を引き起こし、分解・消化されるからと考えられています。急性発症の疼痛が強い例でも、3~4週間で急激に症状の改善が認められる症例に自然縮小例が多く、6ヶ月前後をさかいに縮小していくと言われています。
それでは腰椎椎間板ヘルニアの症状の経過はどのように変化していくのでしょうか。腰椎椎間板ヘルニアは発症から、急性期・回復前期・回復後期・治癒期・超回復期の5相に分けられています。




急性期は歩行も困難なほどの腰痛・下肢痛が出現します。前屈が困難となり、咳などでも下肢への痛みが出現します。
回復前期、この時期は前かがみが比較的楽になり、基本的な日常生活はほぼ行えるようになります。症状は、座位・立位などの同一姿勢保持や、午後から夕方にかけて疲労の蓄積により発生する痛みを特徴とし、不用意に身体を捻ることにより容易に腰痛・下肢痛が再発します。
回復後期、この時期になると日常生活動作はほとんど問題がなくなりますが、労働など負荷が増大すれば再発の可能性があります。起床時の痛み、瞬間的な痛み、同じ姿勢から動き始めの痛みがあるが、持続的ではなく、程度の差はありますが、下肢の症状が残っていることもあります。痛みよりもしびれを訴えることが多くなってきます。
治癒期、ほとんど痛みのない生活を送れるようになります。急性発症で、初回発症のヘルニアなら1ヶ月以内に、保存的に治療される多くの場合では、3~4ヶ月以内に治癒期を迎えられると言われています。
超回復期、スポーツ選手では、普通の人以上に負荷を強いられるため、日常生活では困らないがスポーツ活動では障害をきたす事はよくあります。このような状況にも対応できるようになれば超回復期という事になります。




脱出型の大きいヘルニアによる急性発症例など以前は手術の適応とされていたものでも自然縮小・消失が認められるため3~6ヶ月は保存療法を行うようになってきました。このようにヘルニアの治療も大きく変わり、現在では手術しなければ治らないというような悲観的なものではなくなりました。
しかし、膀胱直腸障害が見られるもの、麻痺症状があるもの、保存療法を行っても社会生活に支障があるものなど、腰椎椎間板ヘルニアの5~15%は手術の適応になるといわれています。膀胱直腸障害とはおしっこや大便が出なくなってしまう状態で、この場合は緊急的に障害を取り除く手術をします。このような緊急の場合を除き、まずは物理療法・運動療法などの理学療法を3~6ヶ月間、徹底的に行い症状を改善させることが一番だということです。

(H21.10月)

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