光はビタミンDと同等である
転倒骨折をする高齢者は毎年80万人と推定されています。65歳以上の高齢者に特徴的な疾病は「骨折」であるというデータも公開されています(消費者被害注意情報より)。そのまま寝たきり状態になってしまう場合も多いのは、よくよくご存知の事で・・・
光はビタミンDと同等である
転倒骨折をする高齢者は毎年80万人と推定されています。65歳以上の高齢者に特徴的な疾病は「骨折」であるというデータも公開されています(消費者被害注意情報より)。そのまま寝たきり状態になってしまう場合も多いのは、よくよくご存知の事でしょう。
私も日々施術にあたる中で「骨粗しょう症ということで病院で薬を処方してもらっている」という話をよく聞きますが、実際それだけの対処でよいのでしょうか?
高齢者の転倒骨折は、骨の強度が落ちていることが要因であることはもちろんなのですが、骨折のきっかけとなる「滑る」「つまずく」「落下する」といった部分にも着目すべきではないでしょうか。つまり骨だけではなく、筋力自体も弱り、転倒しやすい体になっているということです。いつまでも健康な生活を維持していただくために、こういった高齢者の骨折に対し、我々は柔道整復師としてどのような予防策がとれるのでしょうか?
ビタミンDの影響は骨だけではない
ビタミンDが不足すると、カルシウムの小腸での吸収が妨げられ、骨がもろくなってしまうということはよく知られていることですが、最近の研究では、ビタミンDが歩行速度やバランス、筋力にも関与していることが分かってきています。ビタミンDは太陽光に含まれる紫外線を皮膚に浴びることで生成されます。もともと人間の肌色は、進化の過程で紫外線を遮断しないようにと褐色から薄くなったと言われていますから、適度に紫外線を浴びていないとバランスが取れないということは当たり前と言えば当たり前なのかもしれないですね。
実は、九州大学ではこんな研究報告が出ております。1961年から90年までの各都道府県の平均日射量と、発生部位別に見たがんの死亡率を調べたところ、東北・北陸など日射量の少ない地域ほど消化器系のガン死亡率が高く、逆に四国や九州南部は少なかったというものです(ただし、食塩摂取量などの食生活は除く)。紫外線などの作用でビタミンDが体内で合成され、ガンを抑制した可能性が考えられるとも。
また、環境省のマニュアルによると食物によるビタミンD不足を補うためには、 1日15分間、両手の甲ぐらいの面積があたる程度日光を浴びるか、日陰で30分程度過ごすとよいとしています(環境省:紫外線環境保健マニュアル2008より)。
高齢者だけではなく、最近急増しているネット依存症の方も、日中適度に外に出て紫外線を浴びることが極端に少なくなっており、骨粗しょう症の可能性が多大にあると言えます。「肌に悪い」ということが強調され悪者扱いされてしまっている紫外線ですが、遮断しすぎるとかえって悪影響に繋がってしまいます。何事も「やりすぎ」はだめですね。
我々は柔道整復師として、骨折の直接要因だけではなく、その課程にも着目し、健康な体づくりへと導いていけるよう、正しい知識と確かな技術を持つことが求められていくことになるでしょう。
(H25.3月)
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