情報紙HONETSUGI ACADEMY

なぜ今、”人材教育”なのか?
2012.09.24

なぜ今、”人材教育”なのか?

伝える、聴く・・・単純な単語ではありますが、実践できているでしょうか?意外にできていない8つのスキルでヒトを生きた財に変える、その方法とは?

接骨院開業―経営―分院・・・成功の鍵はヒトにあった!

接骨院(整骨院)・鍼灸院とは、そもそもどのような業種であるのか、皆様はお考えになったことはありますか?

もちろん先生方にはご周知のことと思いますが、接骨院(整骨院)・鍼灸院とは、手術などの外科的手段によらず、無血療法(徒手整復)という手技による古来伝承の施術法を用い、また大学や養成校で基礎医学や骨折、脱臼などの柔道整復術、関係法規を学んだうえで、国家試験に合格し国家資格を得た施術者が、厚生労働大臣免許のもとで施術を行う場所です。

近年では美容や矯正といった自費メニューに特化される接骨院(整骨院)・鍼灸院が増加していることも皆様はよくご存知のことと思います。打撲や捻挫などの施術を行う場所から、健康管理をサポートしたり、姿勢や美容をサポートする場所へと、その領域を広げていっています。そしてその理由が、療養費削減や認知度不足といった接骨院(整骨院)・鍼灸院業界の現状にあることも先生方にはよくお分かりのことでしょう。そして、この現状を打開するための様々な方法を模索し、突出した院作りを目指して、多くの先生方がセミナーへの参加やサービスの導入を推進されておられることと思います。当ほねつぎ大学主催のセミナーでも、スキルアップや知識吸収への取り組みに前向きな先生方が多く見受けられます。

さて、ここで冒頭の質問に一度戻ってみたいと思います。

接骨院(整骨院)・鍼灸院とは、そもそもどのような業種であるのか、皆様はお考えになったことはありますか?

経営力、集客力、技術力へと目が行きがちではありますが、みなさん根本的なことをお忘れではないでしょうか?接骨院(整骨院)・鍼灸院、そしてそこで働く施術者の方は、手技を用いるといった特色上、患者様との距離が非常に近いという大きな特徴があります。人材の良し悪しが直接、そして大きく院の評価へと繋がっていく事業でもあるのです。そう、接骨院(整骨院)・鍼灸院とは、そもそも「人材教育産業」でもあるという認識を持っていただきたいのです。

これは何も雑談がうまい、という単純な話ではありません。患者様へのヒアリング、施術内容の説明にとどまらず、接骨院(整骨院)・鍼灸院では、どのようなことが行われ、どのような結果を生む場所であるのかを広く伝えていくことも重要です。そのためには、まず経営者が思うコンセプトをスタッフに伝え、そして同じ思いを持って日々施術・営業にあたらなければなりません。

重要視されるべきスキル「コミュニケーション力」

今、重要視されるべきスキルとして、経営者とスタッフの間、また、接骨院(整骨院)・鍼灸院と患者様との間における「コミュニケーション力」が挙げられるのではないでしょうか?


経営者の方は、こんなことを思ったことはないでしょうか。

「指示したとおりにやってない!」

「スタッフが言うことを聞かない!」

「言いたいことがわからない!」

そしてスタッフ・受付の方々、こんなことはなかったでしょうか。

「真剣に聞いてくれない!」

「やってほしいことがわからない!」

「聞いたことに答えてくれない!」

今度は少し自身の経験から離れて、第三者の目線で見てみてください。

双方、自分はちゃんと言っているのに(聞いているのに)、相手はそうではないと感じているのです。


たとえば「指示したとおりにやってない」というのはどういった状況でしょうか。もちろん相手によってはうまく伝わらないこともあるとは思います。しかしその一方で、それを伝える側に「伝える」「指示する」というスキルが欠けているとも言えませんか? 伝えた、指示したと思ってはいても、実は「結局、何をしてほしいのかわからない…」と思われているのかもしれません。では、どのようにすればうまく伝わるようになるのでしょうか。


伝える際の手法の中に、「結論ナンバリング法」というものがあります。

何かを伝えるときに、まずは結論から伝えるということと、伝えたいことは3点あって…といったようにナンバリングする手法です。結論から伝えることで、最初に何を伝えようとしているのかを把握してから聴くことができます。そして、伝えたいことが3つあって、1つ目は~、2つ目は~、3つ目は~とすることで、頭の中で整理しながら聴けるので、理解しやすくなるのです。

ただ、「伝えたいことが20個あります!」などと多すぎると聴いている相手はうんざりしてしまいますので、とりあえずナンバリングすればいいというわけではありません。うまく伝えるための手法やスキルは、この他にも様々とありますので探してみるとよいでしょう。

なかなかこういったスキルというのは実践してみないと培われないものですし、しかも通常の業務では、上下関係などで、どれだけわかりずらくても「はい」と頷いてしまう場面も少なくないでしょう。ですが、少し心がけてみるだけでも伝わり方が変わるかもしれません。

8つのスキルを身につける「情熱マネジメント研修」

さて、今回この記事を書くにあたり、ご協力をお願いしたのが(株)エフアンドエム人材開発グループ事業部長である山本龍太氏です。肩書きの通り、人材開発・育成に力を入れておられます。(株)エフアンドエム様には他にも、ほねつぎ大学で節税に関する知識ついてセミナーを開催いただいておりますが、そういったサービスを個人事業主様へ提供をされておられる中、ここ数年で社長や事業主の方より「従業員に対してどのように研修すればよいのかがわからない」といった社員教育に関する相談が急激に増えてきたのだそうです。人材教育の点で、企業であっても個人事業であっても同じような悩みを抱えておられる方が増えているのですね。就職する世代との価値観の違いも要因のひとつではありますが、社員教育に対する考え方が変わってきたのだと言えるでしょう。

そこで生まれたのが”情熱マネジメント研修”。この”情熱マネジメント研修”は合計4日間に及ぶ研修となっており、最初は効果に大小の疑問を抱きながら、また経営陣に言われたからといった理由で参加される方も中にはおられるようなのですが、研修後にはこの疑問を解消していただき、前向きに参加いただいているのだとか。

この”情熱マネジメント研修”とは、基本的な8つのスキルをグループワークやロールプレイング形式(※実際の仕事上の場面を設定し、そこでの役割を演じることで、事務上のスキルを体得する教育訓練技法の一つ)で行っていくもので、診断や研修後のフォローも非常に充実しており、実際にスキルを身につけていけるよう工夫されている研修となっています。

この8つのスキルとは、「聴く」「質問する」「褒める」「叱る」「伝える」「指示する」「報告する」「会議する」になります。

単語だけを見ると、こんな簡単なことを4日間も? と感じるかもしれませんが、実は結構できていないものなのです。

「聴く」とは?
たとえば、相談した相手が「あ、この人きいてないな」と思うとき。それは、聞いてはいるが「聴」いてはいないということです。あまりにも聴いてくれない方だと、もう相談しようとは思わないでしょう。「聴く」というスキルをもってスタッフの話を真剣に聴くことで、「存在を認めてくれている」ということが伝わり、お互いがより力を発揮する下地ができるのです。「情熱マネジメント研修」では、一番初めに、この基礎となる「聴く」講座が実施されてます。また、相手に伝えたいことを聴いてもらうには、まずは自分が聴き上手にならなければなりません。そうすると相手が聴く態勢となります。そのうえで「伝える」スキルを身につけていれば伝え上手となれるのです。

「質問する」とは?
一方的な指示ばかり与えていると、スタッフは次第に自分で主体的に考えないようになります。そして自分で考えたことではないため、実行に対する責任感も弱まります。質問する目的は「スタッフに考えさせる」こと、スタッフの主体性、責任感を引き出すことにあります。スタッフが「自ら考える」ように仕向けるための、効果的な質問方法を身につけましょう。

「褒める」とは?
「出る杭は打つ」「これくらいで満足してほしくないので褒めたくない」では、スタッフは成長しません。褒めることの目的は決して「スタッフをおだてること」ではなく「良い行動を認め、奨励することで、その行動を習慣化すること」にあります。

「叱る」とは?
「スタッフを責める」「スタッフに謝罪させる」では「叱られる側」も「叱る側」にとってもマイナスになります。叱ることの目的は「スタッフ自身」に間違った考え方や行動を認識させ、自ら反省し、行動を改めてもらうことです。

「伝える」とは?
「伝えたはずなのに伝わっていない」「あれだけいったのに変わらない」という経験はありませんか?伝える目的は、「わかりやすく」「腑に落ちるように」話すことで、スタッフの行動を変えることにあります。

「指示を出す」とは?
スタッフと一緒に仕事をする時に、「そうしてこんな簡単なことができないんだろう」「思った通りに動いてくれない」と思っていませんか?スタッフを批判しても自体は好転しません。指示する目的は「適切な指示を通してスタッフを育成」し、「自分ひとりではできない仕事をスタッフと協働することです。

「報告を受ける」とは?
「言いたいことが良くわからない」「悪い結果の報告が遅い」などスタッフの報連相に不満を持つことはないですか? 報告を受けることの目的は「スタッフの報告が悪いことをスタッフのせいにするのではなく」、院長が「報告の受け方を改善」し、院長が望む報告内容を得ることです。

こういったスキルをもってスタッフにあたることで、その後の運営にも変化が現れるようになります。聴く側伝える側、双方がこれらのスキルを徐々に高められるとよいですね。もちろん片側のスキルが上がるだけでも効果が出ると思います。

この研修はスタッフへの教育だけでなく、様々な場面において発揮できるものではないでしょうか。たとえば日常の会話でも話し上手、聴き上手になれるでしょうし、これから開業しよう、分院しようと思っている方であれば、面接時にも発揮できるスキルでもありますよね。

言葉に出すだけならとても簡単な、たった8つの単語ですが、実践するとなると悩む方が多いのではないかと思います。8つのスキルを全て体得するには、そういった場面に何度もあたりながら培っていかなければいけませんが、言葉の持つ意味を少し考えてみると意識が変わるかもしれませんね。

ですので最後にひとつ問題を出して今回の特集を終わりたいと思います。

「聴く」、とはどういう意味でしょう―?

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