情報紙HONETSUGI ACADEMY

顧客満足度No.1に学ぶ
2012.06.22

顧客満足度No.1に学ぶ

スーパーホテルは「安全・清潔・ぐっすり眠れる」の3点において他の追随を許しません。安全面は当然のこと、清掃においては専門とする指導員を3名配置しており、特にぐっすり眠れるという点においては、一番力を入れております・・・

お客様の声は最大の改善案

お部屋へは暗証番号のみでキーは不要。防臭・防湿・エコな壁紙や天井を備えたお部屋の中には、ゆったりと静かな空気が流れる。天然の温泉でくつろいだ後には、お客様の好みに合わせて用意された枕や、血流を良くしてぐっすりとお休みいただくために研究開発された浴衣やスリッパ、そして広々としたベッド。朝目覚めれば焼き立てのパンが並ぶ。今やリピーター率70%、稼働率90%と予約を取るのも難しい―。
みなさんはどのような宿泊施設を想像したでしょうか。一泊何万円もするような高級なホテル?それとも旅館でしょうか?
いいえ。今回ご紹介するのは宿泊費一泊4,980円~※という全国チェーンのビジネスホテルです。何故このような低価格で高品質なビジネスホテルを全国展開へと結びつけることができたのか。今回の特集では、あのスーパーホテルの会長である山本氏自らが取材に応じてくださいました。この場を借りて御礼申し上げます。
山本会長のお言葉からこれからの接骨院(整骨院)・鍼灸院業界にも必要なものに気づくことができると思います。ぜひとも最後までお読みいただき、今一度、貴院と自身を見つめ直してみてください。


お客様の声は最大の改善案
スーパーホテルは「安全・清潔・ぐっすり眠れる」の3点において他の追随を許しません。安全面は当然のこと、清掃においては専門とする指導員を3名配置しており、特にぐっすり眠れるという点においては、一番力を入れております。

まず40デシベル以上の音が客室に入ってこないように施工段階から防音対策を施し、加湿器、空気清浄器はもちろん、天井には珪藻土を用いることで匂いを抑え、湿度は一定に保たれています。壁紙にはケナフ紙(※燃焼時にダイオキシンといった有害ガスを発生しない環境に優しい壁紙。枯渇しない資源として注目を浴びている)を利用しています。ベッドは1m50cm~2mのワイドサイズで上質なものを用意しており、枕の好みも、お客様によって十人十色ですから、フロントに設置された「ぐっすりコーナー」で7種類の枕より自分に合ったものを選ぶことができます。睡眠そのものに関しても大阪府立健康科学グループと共同で研究しており、快眠に至るには睡眠の長さではなく深さにあるという点、また深く眠るための要因などを研究しています。現在は、MICA加工のパジャマや、微弱な電磁波を出す天然石を埋め込んだスリッパが考案されました。これも大阪府立大学との共同研究で開発されたのですが、最近になって導入することが可能となった「力水」は、粒子の非常に細かい水を提供しています。



もし万が一、ぐっすりと眠れなかった場合には、宿泊費をお返ししております。ご請求がありましたら、何も聞かずに返還し、そのあとで何が至らなかったのかをお伺いします。これは次の改善に結びつけるための非常に大切なお言葉です。枕を選んでいただくのも、基はお客様のご意見から頂戴した案でした。
毎月8,000通ほど届くお客様からのアンケートは各店舗毎に10日毎の集計を行い、全従業員にネットワークを通じて全国でのランキングが示されます。自身の立ち位置というのがきちんと把握できるようになっているのです。下位20店舗には指導員による直接指導があり、それでも足りなければ研修センターにて再度勉強してもらっています。また、常にお客様の声に耳を傾けることで、その言葉の端々にあるヒントを捉えるよう指導しております。今では現場から挙がってくる改善改良提案は年間600件にも昇り、日々改善を繰り返して更なる顧客満足度の追及を行っております。

スーパーホテルのホスピタリティとは

朝食・身だしなみ・接客・清掃という4つの点においては、ホスピタリティを考える前の最低限のこととして徹底しております。お客様には、先にも述べたアンケートで評価していただき、4点満点に近づけるよう改善を促しております。
満足度No.1を追究しておりますが、実は「満足」を追い続けるとキリがなくなってきます。例えば、お客様に缶ビールを一本サービスしたとして、その時は満足度がアップするでしょう。ですが、2回、3回と来られた時、更なる満足度を得ていただけるでしょうか? きっとお客様は慣れてしまって、2本、3本と際限なく増やすしかなくなります。こういった満足を追い続けるのではなく、不満を取り除くということで感動を提供しようと考えました。
身だしなみや清潔感においてはマニュアルでの集団研修が可能ですが、"ホテルでここまでしてくれるのか"という感動に結びつくには、マニュアル通りではなく自分で考えて自分で行動し感動してもらう「自立型感動人間」が必要です。 従業員の方には感動力を求め、 個々の意志、夢を追究してもらい、会社からは研修や指導員を派遣するなどして「自立型感動人間」の育成に取り組んでおります。
ホスピタリティや感動というと、みなさんの頭に浮かぶのは、かのテーマパークや高級ホテルでしょうか。スーパーホテルでは、そういったラグジュアリーや壮大な感動ではなくて、もっと身近な、"日常の感動"を大事にしています。目、耳、鼻、口、肌の五感を通して、この日常の感動をお届けできるよう日々改善を重ねているのです。
心理学的に人間は、人に、社会に、地球に、そして自分の健康に良いことをしたというときに脳から至福のホルモンが出ると言われています。こういった日常の感動を胸に、ぐっすりと眠っていただくビジネスホテルがスーパーホテルなのです。

ビジネスホテルを利用する方のほとんどは、その地域に足らない商品、ノウハウ、ソフトの提供や、地域の文化スポーツとの交流などの為に出張して来られる、地域のサポーター達です。その方々が安全で清潔でぐっすり眠れるホテルに泊まり、翌日に「よし、やるぞ!」となれば、地域・経済への貢献へもつながります。リピーターとしてまたお越しいただけるよう、満足度No.1を常に目指して、お迎えしております。


無駄をとりのぞき、必要な場所へ投資する
一方で、不要と思われるものは排除いたしました。
たとえば、一般的なビジネスホテルであれば、部屋に電話があり、冷蔵庫の中には飲み物がありますが、スーパーホテルではそれらを大分以前よりなくしています。室内電話は、今では携帯電話が普及しておりますから必要ないでしょうし(※10年以上も前から電話は室内に設置されていない。その当時はロビーに公衆電話ブースを設けていた)。
通常であれば、冷蔵庫の飲み物も電話料金もフロントで精算となりますが、ビジネスホテルを利用される方は、朝は大体同じ時間にチェックアウトされるので非常に混雑いたします。この精算の時間をなくすことでスムーズにチェックアウトできるようにしたのです。後からの課金がないわけですから、最初にいただいた料金以上は発生しない。入室時には暗証番号で入室していただきます。これはノーキー・ノーチェックアウトシステムとしてビジネスモデルで特許を取得することができました。フロントにおいても混雑時以外には人員を減らし、照明も暗くするなど不要な部分を削っております。

「自立型感動人間」が築く感動力

私たちはお客様に励まされることで感動力を磨かれています。お客様に真剣にご提案いただければいただくほど、私たちもさらに真剣にお応えすることができます。お客様にいただいているのは確かなのです。


まだ記憶に新しい2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震の折、現地のスーパーホテルも本部と繋がらなくなりました。明け方に繋がったものの担当者もばらばらでしたし、携帯も充電がすぐに切れてしまうという状況でした。30人ほどの救援隊を作って、東京から車で山形から仙台へ迂回し、ようやくたどり着いた時には音信不通のまま丸1日半、深夜12時を回っておりました。
後に、この時に現地のスーパーホテルに滞在されていた多くのお客様からサンキューレターを頂戴しております。
孤立状態にも関わらず、整然と全ての人を受け入れ、ストックしている朝食や力水を少しずつ配り、ホテル内の整備などを従業員が不眠で行っていたのです。やむなく廊下での滞在となってしまったなどのケースはありましたが、宿泊費も無料で受け入れていました。
緊急のマニュアルがあるのですかという声もいただきました。もちろん災害用マニュアルはありますが、このような状況でここまでの対応ができたのは、「自立型感動人間」がそこにいたからです。私たち救援隊が辿り着いたとき、既に不眠でやっているわけですから、当然交代して休憩するようにと労いの言葉を伝えたところ、返ってきた言葉は、「私たちはまだ大丈夫ですから、他の店舗へ行ってあげてほしい」でした。徹夜でしかもあの状況で、非常にやる気に燃えていました。この地域では新参者で店舗数も少なかったというのもあり、満足度ランキングは3位だったのですが、去年は1位となったのです。お客様は非常に正直ですね。


夢は自分で築くもの
スーパーホテルでは、偏差値よりも「感動力」を重視して人材を採用しております。入社後はチャレンジシートに年間の仕事目標や、個人の夢、目標といった個人的なものを記入してもらい、ランクアップシートで夢を追いかけていってもらいます。このシステムはどの会社でも大なり小なりあると思いますが、こういったツールを用いて徹底的に部下と上司が話し合います。新入社員に対しては声が大きい、笑顔が素晴らしいといった特徴をできるだけ見つけてもらいます。思ってもない長所を発見できるかもしれません。それを深く掘り下げれば確実な長所となります。
もしも、「夢がない」とか「自分探し」といったことを言葉にする方がいた場合には、夢も自分も「作るものだ」と伝えています。夢を明らかに持ちながら仕事のスキルを磨いていくことで夢に近づいていくのです。勤務評価7割と、「自立型感動人間」になれたかが昇給に関係するシステムとなっており、こうして目標に向かってチャレンジしながら、お客様と日常的に感謝や感動をわかちあえる「自立型感動人間」へと育っていくのです。

スーパーホテルが目指す未来
2009年には日本経営品質賞(※米国のMB賞を基とし、製品の品質にとどまらない経営全体の品質を評価する表彰制度。この賞を受賞しているのは関西ではパナソニックとスーパーホテルだけ。MB賞の受賞ではリッツ・カールトン・ホテルが有名。)も受賞することができました。海外からも声がかかっていますが、国内とは違う市場でどう展開していくか、大きな市場を視野に入れて進めていきたいと思っています。
会社というのは少しずつ大きくなるものです。100店舗までは数を追っていたかもしれない。これからは規模の拡大より顧客満足度NO.1、社員の皆様が使命感に燃えて働ける会社へと、質を追っていきたいと考えています。

接骨院(整骨院)・鍼灸院で働く全ての先生へ
以前、私も腰を痛めたことがあり、レントゲンでも診ていただいてから、手術を勧められたのですが、リスクもあるし、車椅子なんてこともあり得る。手術して失敗したという話も聞いていましたので、接骨院(整骨院)・鍼灸院へ通いました。
接骨院(整骨院)・鍼灸院ではしっかりとヒアリングをしていただいて、自然にじっくりとやっていこうということでした。長くかかるとは思うんですが、施術の目的というのをじっくりと話していただき、自然のままを重視し、身体を切らずにというのは最高ではないかと思います。どれだけ時間がかかったとしても、レントゲンを見てぱっとこれだというのではなくて、じっくりと、その人に応じたメニューを行っていく。これが痛めた人のハッピーにつながると思うんですよね。ですから接骨院(整骨院)・鍼灸院の先生にはぜひとも、もっと頑張っていただきたいと思っています。

過去にもさまざまな取材をさせていただきましたが、成功されている―顧客に認められるようなビジネスをされている方からは「儲ける」という言葉が出てきません。顧客に認められた時に追随してくるものであって、目的ではないのです。彼らがやりたいことは自分自身が大切にしている想いを形にし、世の中へ提供して、そして循環させているだけのことなのです。みなさんも一度、お客様の言葉に真剣に耳を傾けてはいかがでしょうか。

この取材のあと、山本会長から「ご参考に」と冊子類の入ったクリアケースを1セット頂戴しました。会社へと戻り、伺った多くのお話を形にするため、まずはと頂いた冊子類をケースから取り出します。ふと笑みがこぼれました。私は会社のパンフレットだろうと当たり前に思っていたのです。違っていました。過去の取材記事をそれこそ何年も前のものまでまとめてくださっていたのです。
災害時、徹夜で作業をされていた従業員の方々も、きっとそんな山本会長があの交通状況の中に姿を見せてくれたからこそ、心強く、さらなる意気込みがわきあがったのではないのでしょうか。ここに山本会長のお気遣いに感謝を示し、今号の特集を終わらせていただきたいと思います。

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