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接骨院・鍼灸院法人化のメリット
2015.06.26

接骨院・鍼灸院法人化のメリット

事業が一定規模になると事業を個人から法人に移すケースが多くみられます。それは法人化により、多くのメリットを享受できることが最大の理由と思われます。では接骨院・鍼灸院業界において、法人化にはどのようなメリットが・・・

接骨院・鍼灸院法人化のメリット

事業が一定規模になると事業を個人から法人に移すケースが多くみられます。それは法人化により、多くのメリットを享受できることが最大の理由と思われます。では接骨院・鍼灸院業界において、法人化にはどのようなメリットがあるのか見てみましょう。

1.税率が低い

稼いだ利益に対して課される税金としては、個人事業の場合「所得税+住民税+事業税」があげられます。所得税の税率は、利益額に応じて最低5%から最高45%まで上昇し、利益が大きいほど税率が高くなります。
単純合算した場合の税率は、最高25%にもなります。

一方法人の場合は、利益に応じて「法人税+住民税+事業税」を支払います。
法人税率は、利益が800万円以下だと15%、800万円超だと25.5%と、2段階に設定されています。住民税、事業税を含めたトータルの実効税率も、800万円までが23.2%、800万円超が36.05%となり、どれだけ利益が出ても税率はこれ以上上がりません。

概算ですが、一般的に個人事業の所得が700万円を超えるようになると、法人のほうが会社と個人を含めたトータルの税金が低くなります。

2.消費税が最長2年間免税される

保険の対象外となる自由診療報酬、物販による販売収入などは、消費税が課税される「課税売上」となります。
課税売上が年間1 ,000万円を超えると、翌々年度から消費税の「課税事業者」となり、受け取った消費税から支払った消費税を差し引いた残額を税務署に納付しなければならなくなります。
消費税の課税事業者となるタイミングで法人化することにより、そこから最長2年間は消費税の納付が免除されます。

3.所得を分散できる

個人事業の場合は、家族に対して給与を支払う際、事業に専従している家族にしか給与を支払うことができません。よってオーナーである先生に所得が集中し、所得税等が高騰してしまう傾向があります。
しかし法人化すると、先生自身にも給与を支払うことができ、役員として就任している家族や、少しだけ手伝ってくれた家族にも給与を支払うことができます。その結果、所得を分散することができるので、先生の所得税率が高騰するのを防ぐことができます。

また給与額に応じて、一人最大245万円まで給与から所得控除を受けることができます。その分も所得税を抑える効果があります。

4.経費の範囲が拡がる

個人事業の場合、先生の自宅や個人使用の車については、事業で使用した割合分だけが経費として認められます。一方法人が社宅や社用車として購入したものは、原則として法人の経費となります。

また個人事業で加入した生命保険は、保険料が経費とならず、年間最大 万円だけが所得控除として認められるに過ぎません。

しかし法人で生命保険を契約し、受取人を法人にした場合は、保険料の一部を法人の経費として計上することができます。

将来、保険を解約し、法人が返戻金を受け取った際は、それが利益となります。しかしそれまでの期間、税金を繰り延べる効果を得たことになります。その他にも、

5.退職金が経費となる

6.相続対策になる

7.青色欠損金の繰越期間が長い

8.決算日を選べる

これだけのメリットを法人化により得ることができる可能性があります。しかし法人の場合は健康保険・厚生年金保険が強制加入となり、半額を事業主が負担する必要があることなどデメリットもあります。
何事においてもいえることですが、安易な決断はとても危険です。法人化に際しては現状と将来の見込を総合的に勘案し、専門家の話を聞くなどして十分に検討した上で実行するのがいいでしょう。

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執筆者
山本公認会計士・税理士事務所
山本 邦人(やまもと・くにと)税理士

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