情報紙HONETSUGI ACADEMY

”プロとは”
2017.09.08

”プロとは”

世界に挑戦し続ける村田選手の思う”プロ”とは-?

”プロ”とは:プロボクサー村田 諒太がほねアカ読者に贈る「覚悟」「決意」「人生」

村田:オリンピックのマルチサポートハウス(※)というのがあって、一度メンタルサポートの先生にアドバイスをもらう機会があったんですよ。試合前でやっぱり不安で。自分という人間は他者と比較してずっと生きてきた。他者の視線を気にすることがなければ、ボクシングというものをただ真っ直ぐやればいいだけだ。どうすればいいだろうっていうようなことを相談したんですね。そうしたら「村田さん、もう26年間という年月をそうして生きてきたんでしょ。性格を直すには同じぐらいの年月がかかるって言われてます。直るころには村田さん52歳になってるよ。あなたは他者と比較してきたからそこまで強くなった。だから今あなたがここにいる。それでいいんですよ。」って言われて。言われてみれば確かにそうだなと。自分自身がメダルをとりたいのだし、世界選手権準優勝者としてのプライドを自分自身が守りたい。そう自分を素直に受け止めて、はじめてリングに上がる恐怖心が少し払拭された、とそういうこともありましたね。
※マルチサポートハウス

選手、コーチ、サポートスタッフ等が競技会に備えるための、総合的なスポーツ情報・医・科学サポートを行う選手村村外拠点



久保:この後、プロ転向のお話が上がりましたよね。この時に色んな葛藤があったと思うのですが。

村田:大学の職員という安定した職についていましたからね。家族も持っている中で、安定した職を捨てて違う道を選ぶということですからね。プロなんてデビュー戦やりました、はい負けました、ってもうそれだけでお金稼げなくなっちゃうし、そこに対する葛藤はやっぱり大きかったですね。

久保:プロ転向を推してくれる方もいらっしゃったのですか?

村田:最初のうちはいろんな誘惑が多かったですね。でも明確にプロに行きたいって思ったときに、その条件を話していく中でサポートしてくれる人っていうのは見つかって。その方たちにはすごく感謝しています。

久保:この後、プロへ転向後は12連勝と勝利を重ねて、そして今の段階にいらっしゃるわけですが、村田選手の中で自分がプロであるという自覚が芽生えたのはどのあたりでしたか?

村田:改めて言われると、どうでしょうね。勝ったときの社会の評価ってすごいわけですよ。プロデビュー戦でオリンピック金メダリストが日本スーパーウェルター級王者で東洋太平洋ミドル級王者のチャンピオンにも勝った。やっぱあいつはすごい!って評価が格段に上がるわけです。でも、僕の中では社会の評価とは差があった。CMやTVなどのオファー数も急激に上がりましたけど、僕の中でのボクシングのレベルは、そこまで持て囃されるほどじゃないってわかってた。出演を望まれるという意味では”プロ”としての価値はあったんでしょうけど。プロ転向して海外で試合するようになると時間も合わなくて、そちらの方面の露出も少なくなりました。これってある意味ニーズが少なくなってきている証拠なのかなと。でも、そうやってニーズが下がってくる中で、自分の実力は試合するごとに上がっていく。その差が埋まってニーズと実力がマッチしだすと心としては楽になりますけど、プロとしての自分がどんな立場にいるのか、ということは考えるようになりました。

久保:マッチしている方が、力は伸びるんでしょうか?

村田:やっぱり高みを目指さないと成長しないところもあると思うし、マッチしてる現状に満足してたらダメだとも思う。やっぱり悔しいわけですよ。自分は今もいい試合をしてるのにって。絶対に世界チャンピオンになってもう一度注目されてやるって、そういうハングリー精神はありましたよね。オリンピックのときもそうでした。重量級は通用しないとか言われてましたけど、見とけよ!俺はやるぞ!って気持ちがありました。

久保:2017年ミドル級王座決定戦に臨まれたときもそういう気持ちの中で?

村田:世界戦のリングの上でも見てろよ!ていうような気持ちで挑んだかというとそうでもないんですよね。その意識は心の奥底にある原動力のようなもので。そんな力んだ状態で本番に挑んだって良い結果が出ないですから。もっと落ち着いた心の状況というか。あのときは、ここまでこれて嬉しい、この舞台に立ててありがたい、という気持ちと、
支えてもらった方に恩返しをする、あとはこのリングの上でどういうプレイをするか。そういうことだけしか考えてませんでした。

久保:判定の瞬間って、ご自身では勝利を感じていましたか。

村田:正直なところを言えば、ダウンも取ったしダメージも与えていたし、勝ったかな、とは思いましたけどね。ただ第三者が判断することなので、ああ、そういう風に映ったのかな、とも思いました。すべてがリングの上で理解できているわけではないんです。”第三者の目にどのように映ったか”は僕にはわかんないわけですよ。判定の基準とか、そういう何もかもを踏まえたうえでのジャッジだったんだろうし。自分の中ではうまく試合を運べたと思っていたってそうじゃない。第三者の評価が”負け”なんだったらそれを認めるしかないというか。だから、ああそうなんだって。負けなんだなと。ただ、試合をサポートしてこの舞台を作ってくれた方々に申し訳ないなっていう気持ちだけで、怒りとかそういう感情は生まれてこないですね。


久保:次の試合は予定されていますか?

村田:今年中にあるとは思うんですけど、まだわかんないです。誰と対戦するかもわからないですし。僕は本当にいいサポートを受けていますし、いい環境でやらせてもらっていますから、これでできなければどんな環境であろうともできないということ。試合を組んでもらえたなら、それがたとえ世界戦であろうと何であろうと、全力でやるだけです。そこだけを考えていますね。
※この取材後、次の世界戦が決定しました。


久保:最後に、村田選手にとって、プロであることとはどういうことでしょうか?

村田:プロとはニーズがあるかどうか。そのニーズに応えられるように、自分が努力しなきゃいけない。お客さんだけじゃなくて、試合を作ってくれるプロモーターの方やサポートしてくれる会社の方、スポンサーの方、そういう周囲のいろんな人に対して応えていかなければならない。それに応えられるかどうかっていうのがプロであって、応えられなくなった時には引退しなさいよってことじゃないでしょうか。

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自分のやりたい道へ進むからこそ成果も応援もついてくる。そうしてひとつひとつ成果を実感して自信をつけて、ニーズに、第三者にどう応えていくか。プロとして世界に挑み続ける村田選手の言葉だからこそ、みなさんの心に確かに響く道標となるのかもしれません。
村田選手、貴重なお時間をありがとうございました!

人生とは、覚悟と決意を超えた先にある。村田選手の言葉を胸に、私自身も「プロ」としての覚悟を持つ。

初めまして。今回インタビュアーとして村田選手にお話を伺うこととなった、人材採用を担当している久保です。

世界の頂点で戦う本物の「プロ」との対面ということで、お会いする前はとても緊張していましたが、インタビュー中はとてもフレンドリーに接してくださり、リング上の顔とは違った優しい表情に、さすがオンオフの切り替えもプロだなぁと感じたところです。

私は採用担当ということで、多くの柔道整復師・鍼灸師の求職者とお会いする機会をいただいています。採用面接時には、当ブランドの考え方に賛同していただけるか、ご自身の将来をどのようにお考えなのか、といった様々な求職者の想いに触れることとなります。

そうした中、この業界において、何か違和感を感じることがありました。

新卒の方の志望動機で多いものは、学生時代にお世話になった接骨院での経験からといったものや、何か手に職をつけたいといった理由です。現場では、最近の若い方は開業意欲が低いという声もよく聞くので意外かもしれないですが、将来を問うと「いずれ開業したい」とのお答えも多いです。

しかし半面で、求職者からの質問は、残業があるのか、休日はあるのか、一から教えてもらえるのか、といったもので、ちょっとさびしいなぁと感じています。勤務体系を聞くこと自体は、むしろ重要なことだと思います。必ず確認して認識に相違ないか確かめておいた方が良いでしょう。しかし、他にもたくさん聞いておくべきことがあるのではないかな、とも思います。これから「医業(類似行為)に携わる」という想いの見える方が少ないように思えてしまうのです。残念ながら、学生気分、アルバイト気分の方もとても多いのが現状です。

また、転職者はというと、その転職理由に悲しくなってしまうものが年々多くなってきているように感じます。

◆仲が良さそうな写真が求人票に載っていて、アットホームな院だと思ってたのに、期待とは異なっていた。
◆給与面の待遇が非常に良く、研修も整っているということだったが、研修費が別に必要だった。
◆休日や残業が○日、○時間と記載があったが、実際は異なっていた。

こうした誤解を招いてしまう求人票が出ているようなのですね。求人広告をしてもなかなか集まらないという院側の心中もお察しするのですが、せっかく雇用しても転職されてしまったらまた募集をかけなければならず、求人にかかる費用がもったいないなと感じます。

一方で、誤解を与える求人票であったとしても、求職者側が、前述のような気持ちで面接に臨んで就職されたのであれば、厳しいようですがご自身の選択の結果であると言わざるを得ません。

接骨院は、一般企業と違って、その目的が多種多様というわけではありません。「身体に悩みを抱える患者さまを良くする」という一種類のみです。自分の得意分野を探すための就職、というわけでもないはずですから、1院目では実力をつけて、次のステップアップを目指すことができるのが理想的ですよね。患者さまとしても、学生気分であったり、求人票と異なっていたことにもやもやしている施術者には、怖くて身体を預けられないのではないでしょうか。

村田選手は、プロであり続けるための覚悟を胸に、大学職員という安定した職から飛び立ち、そして世界戦にまでたどりついた方です。人生とは、覚悟・決意を超えてこそ切り開けるものなのだと、そう感じました。

柔道整復師・鍼灸師は、プロとして人間の身体に触れ施術することを認められた国家資格者です。そして私自身は、そうした方々を相手に、人材を選定する役目を負った人間であり、その私自身が、彼らと対峙するに恥ずかしくない採用のプロとして、覚悟をしなければならない。そして志高く、患者さまに支持される、そんな柔道整復師・鍼灸師を発掘し、社会へと送り出して行こうと決意した、貴重な一日となりました。
村田選手、本当にありがとうございました!


■Professionalとは
「specialist」「expert」「professional」という3つのワードがあります。もし、あなた自身に冠するとしたらどれを選びますか?欧米で、熟練の技術者などに「あなたはsupecialist/expertですね」と言うと「NO」と首を振られるそうです。「specialist」とは能力に関係なく特定の分野に特化した人や担当のことを差し、「expert」とは、特定の分野に秀でた方をさすそうです。しかし、彼らは自分の能力を以って、社会(顧客)に対して”価値”の創造と提供をしているのであって、そうした者を指すことばである「professional」というのが正しいとか。

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柔道整復師の道しるべとなる:ほねつぎアカデミー運営部から、療養費・技術・経営・開...[つづきをみる]