情報紙HONETSUGI ACADEMY

接骨院業界のトレンド特集 海外進出
2018.09.21

接骨院業界のトレンド特集 海外進出

亜急性文言撤廃など療養費取り扱いに関する様々な改定、広告ガイドライン策定への動きなど法整備が刻々と進み、 接骨院業界を取り巻く環境は激変のさなかにあります。 約45,000件に上る接骨院の中、将来に不安をお持ちの先生も多いでしょう。 今号では、大きな視野で今後を考えるひとつの指針としていただくべく、海外進出を果たした徳見社長のお話を伺ってまいりました。

国内10院の展開をベースに接骨院海外展開へ挑戦

 「もともと保険施術主体という方針が大きく占めていた」と昔を思い返す徳見社長。数院を展開したところで、自費施術導入によるステップアップを考え始めましたが、自費施術はそう簡単に導入できない、するべきじゃないという壁があり、ためらっていた時期があったそうです。
 しかし、あるきっかけがあり、あさがお鍼灸接骨院(現在は完全自費の接骨院になっている)をリニューアルする際に、一度しっかりと腰を据えて自費施術導入をやってみようと一歩踏み出されました。オペレーションや導入機材を見直し、従業員にも指導を行う。保険中心でなくても大丈夫なのか?経営者として、スタッフを巻き込んで体制を変えることにそんな一抹の不安もあったでしょう。しかし結果は大成功。「売上額でみると約3~30万/月から約110万位/月に平均値が推移したときに、「できるんだ」という確信に変わりました。患者さんの身体の状態に合わせて、しっかりと説明をし、納得していただければ自費でも受けてくれる。そんな単純なことに気づいた瞬間でした。もし、ここで違う考えのままだったら、今が全然変わってたかもしれないですね。」
 そんな自費移行やリニューアルに携わり、その後もフォローをし続けたアトラ株式会社 営業担当(竹内)と当時のことを振り返っていただきました。

徳見社長「EXCAREpro Ⅲという複合高周波機器の資料請求をしたときに、竹内さんに来ていただいたのが最初でした。和漢堂(京都市左京区)の特別室でお話したんです。」
竹内「1年半前の1月(取材は2018年7月)でしたか。そこから何度かリニューアルもご一緒させてもらいました。そう考えると、まだお会いして1年半しか経ってないんですね。」
徳見社長「ほんとですね。もっと前な気がしてました。」
竹内「1年半、色々ありましたよね。かつらざか鍼灸接骨院のときとか。」
徳見社長「ああ(笑)1年足らずで閉院になった院です。竹内さんに止めた方がいいと言われてたことを、やるって言って、ね。」
竹内「行っちゃいましたよね~。」
徳見社長「ええ。それでもEXCAREpro Ⅲの導入デモには手ごたえを感じまして、広告しても新規患者さんが全然来なかったのに、回数券も購入されるようになりました。他にも竹内さんに人材の集中が必要と指摘をもらって、思い切って4~5院を閉院しましたね。」
竹内「徳見社長は良いと思ったら即決断・行動する方なので、結果が出るのも本当に早いんですよ。」

 こうして国内グループ院のベースを確立させ、遂に2018年7月、タイ・バンコクへの接骨院出店を果たされました。国内事業の基礎があってこそですが、もともと海外志向も心に置き、それに向けて決断し行動する。これが成功への最短の道のりなのかもしれませんね。

これからは施術者も海外へ。日本の技術を世界へとつなぐ先駆けに。

 「あるスタッフから海外に行きたい、と相談を受けたことがきっかけでした。私自身、海外は視野に入れてましたから、当社で海外を目指すか、それとも退職して目指すかと聞いたところ、うちでやりたい、と言ってくれて。」

 徳見社長はタイ・シラチャにてクリニックも展開されており、そのスタッフさん自身がアジア諸国を見て回り場所を決定したそう。現地を見回りその目で調べるというのは、日本においても重要なこと。それを任せられるスタッフがいるというのは本当にありがたい事ともおっしゃっていました。

 「海外へ行くことに他のスタッフは抵抗を感じるかなと思ったんですが、意外なほど意欲的。会社がお金を出してくれて海外で働けるって、そんな良いことない!と。このまま今の接骨院で働くか、開業するのか、という将来像が少し変わりますしね。」

 スタッフへ夢のある未来を提示できる、と嬉しそうに語る徳見社長。「次にタイに行くのは君だからパスポートは取っておいて」と言うと「取っておきます!」とスタッフさんもすぐ応えてくれるとか。

 「日本では考えられないことも多々ありました。まさか、と。その点、バンコク出店の接骨院はフランチャイズのようなものでしたので、そうしたことに悩まされたり、調査したりする時間をロイヤリティと思えば、安いものですよね。」

 日本と海外では、習慣も法律も異なります。日本では良くても海外ではダメということもあり、人の感覚も異なっていますので十分な調査が必要です。
 また、タイに出店するにあたって、徳見社長は新たな視野が開けたともおっしゃっていました。

 「タイに来ることがあったら、一度当院の横にある病院を見てほしい。タイ国最大級の病院なのですが、内装はホテルのようで、"待合"ではなくてラウンジになっていたり、ホスピタリティが格段に違う。「お客様をお迎えする」という意識で、こちらでは病院側も「サービス業」としての位置感を大事にしています。今までの常識が覆された瞬間でした。国内院のリニューアルでも取り入れています。
 これから海外を視野に入れている方は、若いうちに経験していることで将来のビジョンが見え、世界観が変わると思います。」

 徳見社長、貴重なお時間をありがとうございました。
 セミナーではタイ出店において起きた「海外出店・就職の際に気をつけた方がよいこと」を中心に徳見社長がお話くださいます。お時間のある方はぜひ下記セミナーへお越しください!

「日本」ブランド進出がアツイアジア

日本企業は70,000拠点以上
海外日本食レストラン約69,300店に


農林水産省、財務省の発表によると、平成28年(2016年)10月1日段階の集計で、日本国外に進出している日系企業の総数(拠点数)は、
7万1,820拠点に達し、いまだ各企業の注目を集めています。
食を含む日本文化ならではの丁寧なサービスが受け入れられているようです。
アジア諸国は、タイやインドをはじめ急成長中。
高層ビルが並び、外資系がどんどん参入しています。裕福層だけではなく、低所得層でも「健康のために砂糖を控えよう」といった意識が出てきているようです。

※農林水産省「海外における日本食レストランの数」よりアジア諸国の総数、
財務省「海外在留邦人数調査統計」を基に作成

海外の接骨院が増えれば学生たちの夢も広がる。パイオニアとしての海外出店

人材派遣業・接骨院事業を手掛ける(株)アークトラスト山中社長と人材面における海外展開についてお話いただきました。

山中社長(以下、山):20代位だと、仕事で海外に行けるとなるとステータス感を感じてくれますよね。何をするか決まってない内にテンションが上がるっていう。
徳見社長(以下、徳):ありがちなやつですね(笑) 次は実際にハワイでの展開を進めているんですが、ハワイだったらすぐ行きます!って盛り上がってますよ。
山:柔整師・鍼灸師も世界でチャレンジするって本当に意義がありますよね。
徳:タイのフットボールチームに行かれた日本人トレーナーの方がいるんですが、チーム内ですごくよく見てくれる、と評判だったそうですよ。
山:イベントなどで触れ合う機会があると、海外の方って、すごく褒めてくれるんですよ。日本人ってあんまり褒めてくれないんですよ。お国柄もあるでしょうが、日本人自体が高い技術に慣れてしまってるだけなのかもって思いました。資格者が外国の方と触れ合う機会があったら良い刺激になりそうです。
徳:私もイベントで海外の選手と触れ合う機会があったんですが、「これドイツでやったらいける!」って言われたことがありますよ。今度、国内の院に現地のスタッフさんを呼ぼうと思ってるんです。
山:それはいいですね。今って、学校を卒業したあと海外で働く施術者なんてほとんどいないんじゃないですかね。可能性が視野に入っていない。むしろ接骨院業界はもう厳しい、みたいな。
徳:そうですね。夢がないですよね。
山:ということは、やっぱり徳見社長のようなパイオニアがどんどん出てきてくれるとうれしいですね。
徳:そういうことができる業種だと思いますね。「手」があれば、できますし。空港にもサロンがあったり。次、誰がやるか、ですね。
山:はい。そこに働ける場所があるのであれば、私としても求人が殺到するイメージしかないです。ぜひ次も展開してくださいね(笑)
徳:そうですね(笑)

両社長、お話をありがとうございました!

ほねアカチャンネル
【提供しているチャンネル】
ほねアカチャンネル

柔道整復師の道しるべとなる:ほねつぎアカデミー運営部から、療養費・技術・経営・開業・動向などの情報を動画やLIVE放送を通して配信しています。 チャンネル登録...