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「産後ケア」のスペシャリスト 今村匡子氏インタビュー

「産後ケア」に取り組んでいる、またはこれから取り組みたいとお考えのすべての施術家へ、「産後ケア」のスペシャリストである柔道整復師・鍼灸師 今村匡子氏の熱いメッセージをお届けします。今村氏は、自身が妊娠・出産・育児を経験する中で培った経験をもとに、技術力の高さだけではない「産後ケア」を考案しました。彼女が勤めるトータルケアまえいけグループあさひ整骨院日本橋浜町院には、年間のべ6,000人以上の産後女性が来院します。今回は、今村氏が考える産後ケアの本質についてお話を伺いました。

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お話を伺ったエキスパート

「産後ケア」のスペシャリスト
今村 匡子氏

鍼灸師・柔道整復師。東京都 トータルケアまえいけグループあさひ整骨院日本橋浜町院に勤務。2児の母親でもあり、自身が妊娠・出産・育児を経験する中で培った経験をもとに「産後ケア」を考案。2020年7~9月の平均新患数は10名/月。新患の産後成約率は約70%/月。1ヶ月に500人、年間のべ6,000人以上の産後女性をサポートしている。産後ケア用品の監修、講演、執筆活動も精力的に行っている。DMMオンラインサロン施術家向けコンテンツにおいて、人気ナンバーワンサロン講師として2020年MVPを受賞。施術家の育成と共に、各地でセミナーや勉強会を行い、鍼灸接骨院業界の認知度向上にも尽力している。

著書:「産後リセット体操で妊娠前よりきれいにやせる!」

あさひ整骨院 日本橋浜町院について教えてください。

当院は「産後ケア」に特化した施術所として、東京都中央区に店舗を構えています。開院時間は午前9時から午後6時までで、平日の受付終了時間は午後5時です。下は22歳から上は53歳まで、10人の女性スタッフで運営しています。10人のうち、4人が14時で退勤します。私自身も育児中ということもあり、1カ月に5日ほどの出勤スタイルです。

現在の勤務スタイルにした理由を教えてください。

私自身この仕事に従事し、もう20年が経とうとしています。結婚・出産した当時、自身のキャリアの中では一番“脂が乗った”状態でした。しかし、これまでと同じ働き方では施術家を続けることは難しいと感じたのです。私は、鍼灸師・柔道整復師の働き方を特殊だと考えています。この業界には、あまりにも拘束時間が長いという問題があります。

女性の施術家が結婚・出産を終え、またこの業界に戻りたいと思った時、同じ条件で戻れるケースは非常に少ないと感じます。過去に、多くの先輩がこの業界からドロップアウトしていくのを見てきました。「体力的に限界を感じる」、「今の働き方では、この先無理がある」という理由です。家族一緒にご飯を食べることができない、保育園のお迎えに行こうと思うと、正社員で働き続けることができない…という現実が立ちはだかるのです。

「勤務時間を短くしたい」、「早く帰りたい」と言うと、「患者さまに対する熱意はあるのか」、「そんな甘いことを言っていて大丈夫なのか」とお叱りを受けることもありました。私は施術が大好きなので、結婚して子どもができたとしても、働き続けたいと思っていました。だからこそ、自分の力でこの環境を変えようと思いました。ただ、全てを変えることは難しかったので、「今ある延長線上で、たくさんの人に喜んでいただく」というスタンスでやっていくことを決めました。そして、「産後ケア」に辿り着きました。

当院が誇れる最強のコンテンツは2つあります。まず1つめは、「産後ケア」に特化しているところ、二つめが、女性が働きやすい職場環境というところです。「産後ケア」と「女性スタッフが楽しく仕事ができる」という点は、とても密接に関連し合っています。

「産後ケア」と「女性スタッフが楽しく仕事ができる」という点がとても密接だという理由について教えてください。

「産後ケア」に取り組むことで、時間のコントロールができるようになりました。産後の女性は、100%と言ってもよい確率でご予約されます。子どもの授乳時間、お昼寝の時間が決まっています。何時に施術が始まり、何時に帰ることができるのかという時間管理を大切にされているため、ご予約で稼働していくようになります。

予約管理ができると無駄な空き時間が減り、その日来院される方が全て把握できるようになります。「この方にはこの施術を」ということが事前に分かっているので、どのスタッフも余裕を持ち安心して患者さまと向き合えます。

予約管理がうまくいくことにより、スタッフ全員で毎日1時間以上の研修に取り組めています。就業時間内に研修を行うため、居残りもありません。業務が終わったらすぐに帰宅します。毎日研修をやっていけば、必然的にスタッフのスキルは向上します。何か問題に直面してから対応するのではなく、日々勉強することで、恐ろしいほどのスピード感でインプットとアウトプットが行えます。

「産後ケア」を始めたきっかけを教えてください。

私には、一卵性双生児の双子の姉がいます。当院をオープンする前に、第一子の出産を終えていました。最愛の姉が産後で苦しんでいることを理解したい、解決したいと思ったことが大きなきっかけです。姉からたくさんの話を聞いたり間近で見たり、「出産ってこんなものなんだ」という現実を知ることができました。

私も経験しましたが、出産も育児も本当に大変です。毎日ほとんど眠れない方もいらっしゃいます。1時間毎、2時間毎におむつを交換して、ミルクをあげて、付きっ切りで赤ちゃんのお世話をします。これが一晩中続きます。一晩だけでなく、次の日も、その次の日も。24時間ずっと続きます。当然、体に痛みも出ます。睡眠不足で、苦しい思いもします。そんな状況でも、育児は“待ったなし”です。そんな状態の女性の体と心をケアすることで、1人でも多くの方に生き生きと元気に過ごせるようになってほしいと望んでいます。

「産後ケア」に取り組む上で大切にしていることを教えてください。

出産について、産後の悩みについて「知る」ことです。当院のスタッフで、出産経験のある施術者は2人だけです。私自身も、「産後ケア」を確立した当時はまだ出産経験はありませんでした。当院には男性の施術者もいます。男性は出産を経験することはできません。重要なのは、出産経験や性別ではなく、「何を知っているか」です。私自身、知らなかったが故に逃したチャンスや、失敗したことがたくさんありました。

「産後ケア」について、スタッフにどのように指導しているか教えてください。

当院では男性女性に関係なく、入社時に「産後ケア」のプロフェッショナルになってもらうための研修を行っています。知ることにより、的確な産後ケアが提供できるようになります。

スタッフの中で、ちょうど3年前に入社された女性がいます。出産経験はなく、身近に小さな子どもがいるわけでもなく、「産後ケアって、一体何をするの?」という状況からスタートしました。彼女は、入社1年半で新患成約率70%を超えました。平均単価は25万円を超えています。

彼女の資質によるものかと思いきや、1カ月の売上単価が100万円を超えるスタッフもいます。入社2年目の別のスタッフも、今年2月に入社したスタッフも、目に見える成果を上げています。

最後に、これを読んでいる施術家の方へメッセージをお願いします。

産後の女性の心と体を健康にすることが、こんなにも育児に対して、子どもに対して、家族に対して影響力があるのだということを知っていただきたいです。困っている女性の問題を解決することで、その方の体とメンタル、家庭は間違いなく変わります。これは私自身が身を以て確信しました。変える力を、柔道整復師・鍼灸師は持っています。

皆さんの周りにも、実は困っている女性はたくさんいらっしゃると思います。整骨院・鍼灸院に行って、どんなことをしてもらえるのか、それを知らない方は多いはずです。私たちの存在を知ってもらえさえすれば、そして、私たちが女性たちのことを知りさえすれば、確実に出産や育児を取り巻く環境は変わります。一人でも多くの施術家の方に、産後ケアを知っていただき、産後女性のリアルを知っていただきたいです。

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