慢性痛のメカニズム~脳が痛みを「記憶」する~
「痛み」は危険から身を守るための警告的役割がありますが、その痛みが何ヶ月間も続くことがあります。骨格筋にどんなにアプローチをしても痛みがとり切れない、痛みが再発してしまうような「慢性痛」は、身体の動きを支配している【脳・神経】に問題が起きているかもしれません。(公開:2021年4月14日、更新:2022年7月21日)
慢性痛とは
慢性疼痛は、国際疼痛学会(IASP)で「治癒に要すると予測される時間を超えて持続する痛み、あるいは進行性の非がん性疾患に関連する痛み」と定義されています。
怪我や病気の場合、一過性で治癒すれば痛みは無くなりますが、痛みが強かったり長引いたりすると、痛みの原因が無くなったのにもかかわらず痛みが続くことがあります。
身体の損傷の有無に関わらず痛みが長期間続いている状態が、いわゆる「慢性痛」 です。生体警告的役割はなく、痛み自体が疾患であるとも言われています。
鍼灸接骨院でよく見られる症例で言うと、肩こり・腰痛・関節痛などが当てはまります。また、スポーツ選手に多い「古傷が痛む」という状態も慢性痛である可能性があります。
最近の研究により、脊髄や脳に、痛みが「記憶」のように固定されることで、痛みに過敏になったり、痛み以外の刺激を痛みと誤認してしまったりすることが、慢性痛の原因であることが明らかになってきました。
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