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足関節捻挫の接骨院対応~関節運動軸から考える~

捻挫の基本的な対応は専門学校で学びますが、臨床現場では学んだ通りに行かないこともあるでしょう。受傷後どのくらいの時間が経過しているのか、損傷の度合いがどれくらいなのかによって対応は変わるものです。学校の練習ではなく、実際に痛みを訴える患者さまに対し、いかに素早く落ち着いて対処できるのか。臨床経験から得た知識を交えた処置法をお伝えさせていただきます。(公開:2021年7月16日、更新:2021年8月30日)

除痛と機能回復を優先すること

接骨院に足関節捻挫で来院される患者さまのほとんどは、数時間~数日経過していることが多いのではないでしょうか。受傷した現場近くに施術所がある場合を除き、受傷後数分で来院されることは、私の経験上ほとんどありません。今回は損傷度がⅠ度・Ⅱ度の対応を中心に説明させていただきます(※Ⅲ度損傷の場合は直ちに医療機関へ受診されるケースが多いため、時間が経ってから接骨院へ来院されることはあまりないでしょう)。

まず、比較的早いタイミング(約6時間以内)で来院された場合は、損傷部位の炎症に対する処置がどうであれPRICES処置を行います。アイシングにより痛みや熱感が落ち着いたら、患部の状態を検査します。患者さまが訴える部位・内容以外の損傷もある可能性がありますので、ヒアリングだけではなく圧痛等で、どの靱帯・組織が痛んでいるのか、可能な限りで可動性をチェックして関節の運動軸の乱れはあるのか等を必ず確認しましょう。

受傷後数日経過している場合は、炎症反応が治まっている可能性も高いため、アイシングの処置は行わないこともあります。ただし、再受傷の場合は炎症が治まっていない、もしくは再発している可能性があるため、判断をする機会を持つべきです。施術開始時期が遅延しすぎてしまったり、正しい処置ができていなかったりした場合、後遺症が残ることがあります。

隠れた後遺症が出ないようにすること

後遺症とは数週間経過して痛みも腫れも引いたのに、ふとした時に足首の調子が悪い、捻挫してから足首以外の部分の調子が悪くなった、同じところを何度も捻挫する等の症状があれば、捻挫後遺症の可能性が高いでしょう。痛みを感じなくなっても、身体の支柱である骨のバランスが変わってしまうことで、全身に影響が出ているのかもしれません。

捻挫後遺症の影響は、数年後に出てくることも稀ではありませんので、足関節の関節軸での動作確認や、全身の関節運動の確認、骨格のバランス等もチェックする必要があります。受傷の状態によっては、足部の骨や関節、下腿や大腿部などの骨を正常な位置に保ちにくくなるため、その場合は整復を行う必要があります。

必ず確認してほしいのは「距骨・脛骨・腓骨の関節が正しいポジションにあるのか」。具体的には、脛腓関節の離開はないか、距骨のポジションはおかしくないか等を、患部を触ったり押したりして確認します。患部に痛みが伴うことが予測されますので、患者のさまの状態を見ながら行います。足部の立方骨も変位する可能性があるので注意が必要です。

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