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接骨院勤務日報【#58~#61】

【前回のあらすじ】院の売上が下がり、西山さんたちも院を去った。何とかしようとしても結果は出ず、<僕>もどうすれば良いかわからなかった。そんな時、いつものように岩田さんとの食事をしていたら院長が現れて…

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【58】僕のやるべき仕事

そこにいたのは、院長だった

実は岩田さん、僕に内緒で院長にヘルプを出していて、この場をセッティングしたらしい。



相変わらず僕には何も言わないんだから・・・。



久しぶりに院長とお酒を飲めるんだと嬉しくなったのも束の間、今日はそういう楽しい会ではなかった。

院長は挨拶もそこそこに、この数ヶ月の数字の推移と院内の動き、僕らの話をヒアリングしていった。最初は僕たちの話に口を挟むことなく聞いていたが、少し間をおいて話しだした。

「結局2人とも、仕事してなかったってことだ。数字を伸ばすことだけに軸を置いていた現場責任者と、リスクを冒してまで中の統制を取らなかったサポート役が作った現状じゃないの?
現場の責任者として、数字を一番に考えることは大切だし、それに精一杯になることは分かるけど、中を見ることを放棄してはいけない。だから、お前をサポート役につけたのに、誰に気を使ってたのか、全くできてなかったんじゃないか?」




…あれ?もしかして、僕が悪い感じ?

「院長、僕は岩田さんと打ち合わせで何度もお伝えしたはずですが、岩田さんは大丈夫の一点張りで。だから、僕も大丈夫だと思って結局やらなかったんです。」

「人のせいにするのは簡単だけど、自分の仕事は自分で責任を持つしかないからね。お前は最後の最後で自分で気づけたから良いけど、誰が何と言おうが、俺はお前にこの仕事を渡したんだ。だから、やるべき仕事をしていなかったお前の責任だ。」

悔しかったし、悲しかった。

岩田さんは、院長の話を聞いているふりはしているが、自分事ではないから上の空だった。それなのに、院長の僕への説教が終わった後、すかさず「現場責任者は自分なので、僕に責任があります」と言い出した。



ずっっっっる!滅茶苦茶ズルい!!!!
このタイミングでしゃべりだすとか!一番自分が傷つかないタイミングだった!




でも、院長はそれを見抜いていたのか、
「岩田さん、僕はあなたの責任ではないと一言も言ってないよ。ただ、あなたにすべての業務を任していなかっただけで、本来はあなたがすべて管理しなければならなかった。だから責任は感じて当然で、わざわざこの場で口に出さなくてもいいから。」


岩田さんはしばらくヘコんでいた笑
でも、この一言が無かったら、僕がヘコんでいたかもしれない・・・。


院長は最後に、自分がどんな思いで院を作り上げてきたかを教えてくれた。少し聞いたことがあったが、しっかり聞いたのは今日が初めてだった。院長の院への思いを聞いていくうちに、僕は今から何をすべきか少しずつ理解していった。


失った数ヶ月を取り戻すのはかなり大変だ。でもやるしかない。スタッフが4人減った状態でも、院の最高記録をすべて塗り変えてやると、僕は心に誓った。

【59】スタッフたちの本音

院の立て直しは簡単ではない。誰でもそんなことは分かっている。

「できなくても仕方がない」と自分に言い聞かすのは簡単だが、そんなものは誰も納得しない。


今のスタッフの人数でやり切る。数字を伸ばせるだけ伸ばしていく。
使命を一度放棄してしまった僕に、新たな使命が与えられた。



以前、東さんから「自分が院長のつもりですべての業務をやる」という考え方を学んでいたが、今まで実践できていなかった。

院長が尊敬できる人だったから、というのは都合の良い言い訳だろう。結局、院長が異動した後も、僕は岩田さんに遠慮していたし、上手くコミュニケーションを交わして逃げていたのかもしれない。


自分が院長になったらどうするのか?
今何をすべきなのか?


チームとしてのまとまりが欠如している今、チームワークを高めて同じ目標に向かって進んで行かなければいけない。
 
そのためには、残っているスタッフととりあえず話をするための時間が必要だと思った。岩田さんに許可を取って、さっそく話を聞きに回った。




様々な意見が出てきた。

「前の院長のときは、各スタッフに目標を与えてくれて評価もしてくれた。でも、今はそれがない。惰性で働いている気がする。」
 
「以前のように患者さんの症状や状態に特化したミーティングをやっていかないと、一番良い施術を患者さんに提供できないと思う。」
 
「回転率が重要なのも分かるけど、それだけを追い求めていて事務的な仕事になってきている気がする。」
 
などなどなど!

上げればキリがないほど改善案をみんなが持っていた。何でそこまで意見があるのにみんな発言しないの?と聞くと、黙り込んでしまう。
 
しかし、そこを教えてもらわないと何も解決しないので、しつこく聞いてみると、院の方針は岩田さんが僕と考えるから、とりあえず一年は黙って付いてきてほしいと、岩田さんに言われたそうだ。




そんなこと言ってたなんて知らないけど!?

【60】スタッフから意見が出なかったワケ

岩田さんがそんなことを言っていたなんて知らなかった。
いや忘れていたのか?もしくは自分が聞き逃していた?
とりあえずみんなに謝罪した。

みんなは「別に僕のせいではない」と言ってくれてはいたが、今まで「意見が出にくい」を通り越して「意見が出ない」環境を作ってしまっていたんだ。

意見を何でも受け入れる必要はないと思うが、意見を聞く場を設けることは必要だ。どんな意見でもお互い納得するまでとことん話をしなければいけないと思う。

時々、どうでもいい話や論点からずれている意見も出ることはあるが、そんな時でもちょっと我慢をして聞き役に徹することも大切だ。話し合いのレベルが上がってくると、まとめ役や院長が注意しなくても、自分で気づいたり周りから注意されたりするものだ。

かと言って、意見をバッサリ切りすぎてしまうと、本当に意見が出なくなってしまう。注意したくなっても、自分の感情をコントロールする練習と思って、どんな意見にもしっかり向き合っていく。

新しくチームをまとめるときや、自分のキャリアや仕事のスタイルを理解されないときは、自分の意見を押し通すのではなく、まず初めに「傾聴」から始める方が上手くいくかもしれない。




同僚たちとの意見交換を頻繁にするようになった。もちろん岩田さんとの打ち合わせの合間に挟みながら。

岩田さんは、僕がみんなと話している内容を聞いてはこなかった。これまでだったらスルーしていたが、今は違う。もっとスタッフに興味を持ってほしい、と訴えた。
 

が、あまり響かない。


他人に興味がないのは仕方がないとしても、自分の下で働いてくれているスタッフがどんなことを考えているかぐらいは興味を持ってほしいと、打ち合わせの度に伝えるようにした。

それでも、あまりにも興味を持たないので、少し怒ったふりをしてみたが変化なし。
 

諦めようと思った時に、



実はこっそりみんなに聞いていると、カミングアウトしてきた。



…別に隠す必要は無いのでは?

【61】岩田さんが不機嫌な理由

岩田さんの行動に対して、別に隠す必要はないのでは?と僕は意見をした。

ちなみに、皆にどんなことを聞いたのかを聞いてみたが、思った通り表面上の部分しか聞き出せていない。

「気になっているなら、ちゃんと僕から伝えます」と言って、僕は、皆がどんなことを考えていて、その上で岩田さんの意見とどうマッチングさせるのか、全員で話し合っていること全て伝えた。

これはさすがに岩田さんもちゃんと聞いてくれていたが、それでも何か気に食わないような様子。


なぜ不機嫌になるんだ…?



その時は、なぜ岩田さんが不機嫌になる理由が分からず、ただただストレスに感じていた笑

自分が上の立場になって、ようやく分かった。要するに、毎回ちゃんと岩田さんに報告するべきだったのだ。

会社や接骨院のトップは、常に全体像をイメージしながら運営の舵取りをしなければならない。どんなに些細な情報も、「まとまってから」ではなく、「まとまっていなくても」報告しておかなくてはいけないのだ。


…ということが理解できていなかった当時の僕は、イライラして岩田さんがいない席で、ふとそのことを漏らしてしまった。



後日、即呼び出し。



きっちりヒアリングされ、文句があるなら俺に直接言えと言われたので、僕は自分の中に溜まっているものを全てぶつけた。岩田さんもさすがにへこんでいた。


上司に文句を言って、言い返せないぐらいに言い負かしても何も生まれない。多少の爽快感はあるものの、解決策には何もならないので結局フラストレーションが溜まるのだ。それが満タンになったら、また吐きだす、これの繰り返し。



スタッフとの関係性はだんだん良くなってきていた。しかし、肝心な岩田さんと僕の関係性はあまり良いとは言えなかった。
 
でも、僕は自分が院長だったらという思いを胸に、自分なりに精いっぱい仕事していることを岩田さんも理解してくれていた。

だから解決しない問題があっても、突き進んでいくしかなかった。幸いにも、売上数字が上向きになっていくのに、そこまで時間はかからなかった。そんな時、院長が僕をご飯に誘ってくれた。


今回、岩田さんはいないみたいだ。僕も色々聞きたいことがあったので、急いで集合場所に向かった

が、すでに集合場所に到着していた院長を見て、僕はすぐ理解した。




あ、これは何か叱られるな。

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