柔道整復師・鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師向け情報サイト
  1. HOME
  2. 記事
  3. 最先端医療連携
  4. 万博で描かれる再生医療の未来と、私たち接骨院にできること

万博で描かれる再生医療の未来と、私たち接骨院にできること

2025年大阪・関西万博では、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、まるでSFのような最先端技術が現実となります。中でも、私たちの常識を覆す「再生医療」は最大の注目。iPS細胞による臓器再生など、未来の医療が今、目の前に広がっています。この革新が、接骨院の未来にどう繋がるのか?本コラムでは、万博で示される再生医療の可能性、接骨院の先生方が知るべき基礎知識、そして地域医療への貢献という新たな地平を探ります。

再生医療とは何か?その基礎知識を紐解く

再生医療とは、私たち自身の体が持つ、損傷した組織や臓器を修復し、本来の機能を取り戻す力を最大限に引き出すことを目指す医療技術です。

幹細胞や様々な成長因子などの生体内の力を活用することで、これまでの治療法では回復が困難だった症状に対しても、新たな可能性を開き、患者様のQOL(生活の質)向上に大きく貢献すると期待されています。


具体的には、以下のような技術が再生医療の主な柱として注目されています。

細胞治療…患者様自身の、または他者の幹細胞や免疫細胞などを移植し、損傷した組織や臓器の修復、再生を促す治療法です。例えば、骨や軟骨の再生、心臓機能の改善などが研究されています。

遺伝子治療…病気の原因となっている遺伝子を直接操作し、問題のある遺伝子を修復したり、不足している遺伝子機能を追加したりすることで、病気の根本的な治療を目指す技術です。

組織工学…生体適合性のある材料と細胞を組み合わせ、人工的に組織や臓器を作製する技術です。将来的には、移植医療における臓器不足の解消などへの応用が期待されています。


これらの再生医療技術は、変形性関節症やスポーツによる重度の外傷、脊髄損傷、さらには難病など、幅広い分野での応用が期待されています。

これらの技術が進化し普及していく中で、接骨院を訪れる患者様の症状改善やQOL向上に間接的に、あるいは連携を通じて役立てられる可能性も秘めていると私たちは考えています。

接骨院の先生方が知っておくべきこと

接骨院で行われるのは、柔道整復術に基づく「施術」であり、医師法に定められた「医療行為」としての再生医療を提供することはできません。この点は非常に重要であり、明確な区別が必要です。

しかしながら、接骨院に来院される患者さまの中には、現在の一般的な医療や施術だけでは対応に限界を感じている方、あるいは最先端の再生医療に強い関心をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

2025年の万博をきっかけに、再生医療への社会的な注目度や関心はさらに高まることが予想されます。

このような状況において、接骨院の先生方が再生医療に関する正しい知識を持つことは、患者さまへの適切な情報提供や、必要に応じた専門医療機関への紹介を行う上で、極めて重要な役割を果たすと考えられます。

正確な情報を提供することで、患者さまの不安を軽減し、適切な治療選択をサポートすることが可能になります。また、医療機関と連携することで、施術後のリハビリテーションなど、多角的なアプローチで患者様を支える新たな道も開けるかもしれません。

患者様の健康寿命延伸へ

再生医療は、病気や怪我によって失われた機能を回復させ、患者さまが健康で活動的な生活を送れる期間、すなわち「健康寿命」を大きく延ばす可能性を秘めています。

接骨院は、地域住民の皆様にとって身近な健康の相談窓口であり、その健康を支える重要な拠点です。日々の施術を通じて患者さまの身体の状態をいち早く確認できる立場にある先生方が、再生医療に関する最新情報をキャッチし、その知識を活かして患者さまへ適切なアドバイスを行ったり、専門医療機関への橋渡しをしたりすることは、地域全体の健康寿命延伸に大きく貢献することにつながります。

これからも、患者さま一人ひとりの健やかな生活のために、接骨院が地域医療の一翼を担い、より積極的に貢献できるようになっていくことを期待しています。


※本コラムは、弊社別サイト「アトラ請求サービス」に掲載されているブログ記事を加筆修正・再構成したものとなります。

アトリク(柔整・あはき専用求人サイト)

アクセスランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5