接骨院白書WHITE PAPER

2018.01.05

第17回 あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会

平成29年12月27日(水)13時00分より、全国都市会館の大ホール(二階)にて、第17回 あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会が開催されました。この日は、「あはき療養費の不正対策(案)」を議題として議論が交わされました。 本コラムでは、厚生労働省からの提案内容と検討委員会における主な発言を取り上げます。

議題:あはき療養費の不正対策(案)

平成29年12月27日(水)13時00分より、全国都市会館の大ホール(二階)にて、第17回 あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会が開催されました。この日は、「あはき療養費の不正対策(案)」を議題として議論が交わされました。

本コラムでは、厚生労働省からの提案内容と検討委員会における主な発言を取り上げます。

◆議題
あはき療養費の不正対策(案)

1. 患者本人による請求内容の確認
○請求内容を、患者又は家族が確認することを徹底する。
○このため、受領委任制度の導入に当たっては、施術者は、毎月、支給申請書の「写し」又は施術日数や施術内容のわかる明細書を、患者に交付することとする。
○患者又は家族が請求内容を確認しないで支給申請書に署名又は押印を求めることは認めない。
○これにより、架空・水増し請求を防ぐ。
○さらに、上記に加え、施術ごとに患者から署名をもらうようにすることについて、どう考えるか。

2. 医師の同意・再同意
(1)再同意のあり方の見直し
○医師の再同意に当たっては、医師が、文書により、患者の状態や施術の内容、必要性等について確認し、再同意することとする。
○具体的には、受領委任制度の導入に当たっては、施術者が、一定期間ごとに、
①施術の内容・頻度
②患者の状態・経過
を記載した「施術報告書」を作成し、医師が当該報告書を確認するとともに、医師の直近の診察に基づき、再同意する仕組みとする。
○施術報告書には、医師に対して、
・本報告書を確認の上、直近の診察に基づいて、施術継続の再同意の可否を患者又は施術者に連絡いただきたいこと
・同意内容に変更ある場合には新たな同意書の発行が必要なこと
・不明点や特段の注意事項がある場合には連絡いただきたいことを明記し、医師が当該報告書と直近の診察に基づいて再同意することを徹底する。
○施術者による施術報告書の作成及び医師の再同意は、6か月ごとに行うこととする。
○これらにより、施術者と医師の連携を緊密にし、必要な施術が行われるようにする。
○さらに、上記に加え、医師の再同意について、同意内容に変更がない場合にも文書によることとすることについて、どう考えるか。
(今回の論点)
一定期間(3か月→6か月)ごとに医師の再同意について文書で行うこととすることについて、どう考えるか。

(2)主治の医師による同意
○同意・再同意を求める医師は、緊急その他やむを得ない場合を除き、当該疾病について現に診察を受けている主治の医師とする。
○医師の同意・再同意は、医師の診察を受けたものでなければならないこととする。医師が診察を行わずに同意を行う、いわゆる無診察同意が行われないよう徹底する。
○これらのため、同意書の様式に、「保険医が、当該疾病について診察の上で同意する必要があります。保険医氏名は、診察した医師の氏名を記載して下さい。」旨を追記する。
○通知等により、同意書を書く医師に対して、上記とともに、同意書の必要性や意義の理解の浸透を図る。
○さらに、上記に加え、同意ができる医師の診察料を制限することについて、どう考えるか。
○さらに、上記に加え、医師が診察していることを確認するために、医師が同意した際の医療機関の診療明細書を療養費の申請書に添付させることについて、どう考えるか。

3. 長期・頻回の施術等
(1)1年以上かつ月16回以上の施術の支給申請書の見直し・調査の実施
○初療日から1年以上かつ月16回以上の施術について、支給申請書に様式(施術継続理由・状態記入書)を追加し、施術の必要性と患者の状態を記載させることとする。
○上記見直しは、平成29年7月から施行しており、疾病名とあわせて施術による患者の状態の変化を調査できるようにしている。

(2)調査結果の収集・分析
○施術による患者の状態の変化を把握するため、施術継続理由・状態記入書を収集・分析することとする。(季節変動も把握するため、概ね1年以上分収集・分析することとする。)
○収集した調査結果について、
①状態が改善・維持・悪化がどのような割合か
②①について、疾病名ごとに、どうなっているか
③①について、頻度ごと(月16回以上、20回以上、24回以上等)に、どうなっているか
等について分析することとする。

(3)償還払いに戻せる仕組み
○受領委任制度を導入した場合、過剰な給付となっていないかを確認するために、償還払いに戻せる仕組みについて検討する。
○具体的には、30年7月以降、(2)の分析を行い、どのようなものが長期・頻回な施術に当たるかを検討し、その結果を踏まえ、保険者が、施術の必要性について、個々の患者ごとに確認する必要があると合理的に認められた場合について、当該患者の施術について償還払いに戻せる仕組みについて、検討する。

4. 往療
(1)支給申請書等の書類の統一
○往療について、受領委任制度の導入に当たっては、次のことが明確に分かるよう、支給申請書を見直す。
・往療した日付
・同一日同一建物への往療かどうか
・同一日同一建物への往療の場合、往療料を算定しているか否か
・施術者
・往療の起点(個人情報に配慮し、個人宅は丁目までとし、番地は求めないこととする)
・施術した場所
・往療が必要な理由(患者の要介護度が分かる場合は要介護度を記載するなど、往療が必要な理由を記載する)

(2)往療料の見直し
○30年改定において、施術料よりも往療料が多い現状を見直す改定の検討を行う。
○また、施術料と往療料の包括化(訪問診療や訪問看護のような報酬)について、検討する。
(検討事項)
・施術料と往療料のバランスの見直し
・距離加算の見直し
・施術料と往療料の包括化
・往療料の算定上限(同一日、同一建物)

5. 療養費の審査体制
(1)審査会の設置
○受領委任協定・契約において、保険者等の判断により審査会を設置して審査できることとする。
 厚生労働省は、審査会設置に当たっての要綱を定める。

(2)審査基準の明確化
○これまでの留意事項通知、QAの整理を行い、審査基準を明確化する。
○柔道整復療養費とあはき療養費の併給の実態を把握し、併給の制限など必要な対応について検討する。

(3)請求の電子化、審査のシステム化、保険者を超えた審査など、効率的・効果的な審査体制
○受領委任制度の導入に当たっては、請求の電子化について、柔道整復療養費についての電子請求のモデル事業の状況も見ながら検討する。
○その上で、審査のシステム化、保険者を超えた審査などについて検討する。
○その際、請求の電子化や審査基準の明確化などの状況も踏まえながら、審査支払機関での統一的な審査などについても検討していくことについて、どう考えるか。

6. その他
(1)支給申請書の様式の統一
・受領委任制度の導入に当たっては、支給申請書の様式の統一を図る。

(2)施術録の整備義務等
・受領委任制度の導入に当たっては、柔道整復療養費と同様、領収証の交付や施術録の記載・保存について義務づける。

(3)療養費についての患者への説明義務
・受領委任制度の導入に当たっては、療養費の支給対象等、療養費を請求する上での注意事項について施術者が患者に説明することとする。

(4)不適正な広告の是正
・あはきの広告について、ガイドラインの作成を検討し、ガイドラインに基づき、不適切な広告を掲げている施術所への指導を徹底する。

大まかなスケジュール(案)
現在   都道府県に対する実態調査を集計中
年度内~ ガイドライン作成を含む広告に関する検討会を開催予定

(抜粋:第17回 あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会 議事次第)

委員会での主な発言

◆委員会での主な発言
○後藤委員から提出された宮崎県後期高齢者医療広域連合用の同意書(あんま・マッサージ・指圧療養費用)について

【保険者】
・症状の改善を目的とする施術について、保険を適用するという趣旨を考えると、医師の同意書がより詳しいことは判断に役立つと考える。
・宮崎県後期高齢者医療広域連合用の同意書には経過を記す部分がある。これはぜひ全国的に取り入れていただきたい。診察日が入っていないが、診察日も入れた方がよいのではないか。

【施術者】
・医師の同意書は指示書ではない。あくまで病気か病気でないかを医師に確認することが大事であって、施術内容については施術者が組み立てるので、ここまで詳細は不要ではないか。

【医科】
・医師が施術を受ける方の状況について医学的に判断をし、施術を行うことによって状況が改善するか。そこを判断するのが医師の役目だろう。限られた財源の中で、施術の費用を出すことに医師が責任をとるべきとなっていく。宮崎県後期高齢者医療広域連合用の同意書のような内容は、望ましいのではないだろうか。

○往療料について

【保険者】
・不正の6割が往療料である。受領委任導入の検討に入るのであれば、往療料の抜本からの見直しが必要だ。医科では距離加算が廃止されている。整合を図る観点からも、距離加算は廃止するべきだ。

【施術者】
・盲目の施術者はなかなか施術所設立が認められないことがあった。そういった方が出張専門としてやっている場合がある。往療について医師の同意があり、歩行困難である場合、支給対象として堅持していただきたい。

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