接骨院白書WHITE PAPER

2017.09.06

仙腸関節へのアプローチ

骨盤の骨である仙骨と腸骨の間に仙腸関節と呼ばれる関節があります。この関節は主に、背骨から伝わってきた重力の重みを足へと伝達する「荷重の伝達」と、背骨や股関節の運動を助ける「運動補助」の役割を果たしています。

仙腸関節へのアプローチ

骨盤の骨である仙骨と腸骨の間に仙腸関節と呼ばれる関節があります。この関節は主に、背骨から伝わってきた重力の重みを足へと伝達する「荷重の伝達」と、背骨や股関節の運動を助ける「運動補助」の役割を果たしています。
仙腸関節は、1905年にGoldthwaitらが仙腸関節障害の報告を発表したことにより、腰痛および下肢痛の原因疾患として注目されました。しかし、1934年にMixterらが腰椎椎間板ヘルニアの概念を報告してからは、脊椎や脊髄、椎間板病変が注目されるようになり、仙腸関節障害はあまり言及されなくなりました。

このように、仙腸関節が忘れ去られることとなった要因の一つとして、その動きが画像上で捉えられにくいということが挙げられます。例えば、化膿性仙腸関節炎の診断にはMRI検査が有用ですが、仙腸関節の機能障害を示す特異的な障害は捉え難いと言われています。また、CT検査の場合ですと、骨や関節裂隙の変化を知るには有効ですが、これらの変化と仙腸関節との相関関係はないと言われ、やはり仙腸関節障害の発見は困難と考えられています。こうした画像診断では異常を認められないということから、原因不明の腰痛に悩み続けている人々が多く存在しています。これは技術発展が生んだ悲劇とも言えるかもしれません。画像診断はあくまでも補助手段であり、その所見が腰痛の本当の原因であるか否かを見極めるには、様々な検査を駆使する必要があるでしょう。特に徒手検査は、仙腸関節障害の検査として有効です。ワンフィンガーテスト、パトリックテストなどがそれにあたります。

仙腸関節障害とは

では仙腸関節障害とはどのような症状でしょうか。

仙腸関節は骨盤の骨である仙骨と腸骨の間にある関節であり、その可動域は数ミリとわずかであるために、不動の関節と呼ばれた時期もあります。これは、仙腸関節の本質的な役割として、上半身からの負荷吸収があるためであると考えられます。仙腸関節に衝撃が加わった瞬間、仙腸関節はロックがかかったような状態になり、後方の仙腸靱帯衝撃を緩和しながら負荷を吸収しつつ、下肢へと伝達します。この緩和作用が、急に止まる動きやジャンプ、着地といった動きをスムーズにし、靱帯の損傷を防いでいます。

仙腸関節は普段から負担がかかることから、力を加えた瞬間に関節がロックされ、押しても引いても動かなくなるという特徴を備えています。その一方で、一定の力を加え続けるとゆっくり動き出すという特徴もあります。この関節の動きは、外の力に対して関節が硬くなる関節静的反射と、関節が動いているときに動きを制御する関節運動反射が、同時に起きていると考えられます。これら関節反射では、関節自らの中に分布する関節固有受容器が働いています。中でもTypeⅠは静的機械受容器と呼ばれ、関節静的反射の際に働いています。また同時に動的機械受容器でもあり、TypeⅡと共に、関節が動き始めた瞬間に反応して関節運動反射を起こします。(表1)これら関節反射の速度をコントロールすることで、仙腸関節がロックする前に動かすことが可能になると言えます。

AKA(関節運動学的アプローチ・博田法)は、その代表的手技です。しかし非常に高度な技術で、習得するには数年以上の練習が必要とされ、その再現性は残念ながら低いと言えます。

そこで、重力を利用することで瞬時の矯正を可能としたトムソンテーブルの活用が期待されます。トムソンテーブルは落下する際に1.8センチ~2.8センチの無重力状態が生まれます。これは筋肉が弛緩しやすくなっている状態ですが、仙腸関節も動きやすくなっているものと考えられます。よって、通常ですと熟練した技が必要な仙腸関節へのアプローチが、誰にでも簡単にできるようになると言えるでしょう。

「歩行不足」「椅子生活」といった仙腸関節に障害を引き起こす2大要因を抱える現代人にとって、定期的にトムソンテーブルによる刺激を与え、骨盤ならびに仙腸関節をメンテナンスすることは必須条件となりつつあるのではないでしょうか。


【参考】

日本仙腸関節研究会「仙腸関節障害について」、http://www.sentyo-kansetsu.com/jp/sacroiliacjoint.php、2017/06/21

BFI研究会「関節受容器の詳細」、http://www.arthro-reflex.com/bfi/juyoukinoshousai.html、2017/06/21

仙腸関節障害の治療経験 脊髄外科 vol.24 NO.1 2010年6月

※本記事中、意見・考察に亘る部分は、著者の個人的見解であり、著者が所属し、又は過去に所属したいかなる団体の意見等を代表するものではありません。

(H28.9月)

石垣先生に聞きました!石垣式自費メニューができるまで

今回は、自費型接骨院を構築するための必須ツールがパッケージ化されたHONEY-SYSTEM。そしてその接骨院を利用する患者さまをサポートするHONEY-STYLE。このサービスで提供されている自費メニューを考案している石垣先生に、自費メニュー考案の過程についてお話を伺いました。

ほねアカインタビュアー(以下、ほ):HONEY-SYSTEM、HONEY-STYLEで提供されている自費メニューの考案をご担当されているということで、今日はその考案の過程についてお話をお伺いできればと思います。よろしくお願いいたします。

石垣先生(以下、石):よろしくお願いします。

ほ:早速ですが、自費メニューには「猫背」や「ストレートネック」など、それぞれにテーマがありますね。このテーマはどのように決定しているんでしょうか?

石:そうですね。まずHONEY-STYLEという名称は3つのコンセプトから成っていることを表しています。その3つとは、"HONE(骨)"と"HONEY(女性)"、そして"STYLE(姿勢)"です。このコンセプトに合わせて「骨」、「姿勢」を扱うという視点から、ターゲットである女性のニーズ(悩み)を調査し、そしてテーマを決めています。

自費メニューは3か月に1種類のペースで発売となるので、発売時期に合わせてテーマを決めるんですが、そのためのテーマ探しは365日、常に行っています。いつも患者さんのニーズにアンテナを張っている状態です。

ほ:具体的にはどのようにニーズを調査するのでしょうか?

石:私はニーズを知るために、エステやタイ式マッサージの院へ自ら出向き、施術を受けたりしています。柔道整復にこだわらず、様々なカラダに関する技術を知ることで、求められているニーズを探ります。ただ、私がメニューを考案しているHONEY-SYSTEMはターゲットが30~50代の女性ということで、女性目線が重要です。そのため、女性社員の方に体験してきてもらうこともあります。

ほ:次に、テーマである悩みにアプローチする方法(施術方法)を作る際のことを教えてください。

石:施術内容は基本的に柔道整復の手技ですので、柔道整復師であれば皆さん知っているものを組み合わせて作っています。

ただし、手技は昔からの伝統的なものですが、様々な面で便利になった現代は、手技が考案された時代とはまた違った悩みを生んでいます。例えば、パソコンやスマートフォンといった機器は非常に便利でよく皆さんも利用されると思います。こうした機器を使用する中で無意識のうちに姿勢が悪化してしまう。これは昔の人にはなかった悩みですね。

こうした悩みに合わせて、伝統的な手技を上手に組み合わせなければなりません。

また、ただ組み合わせるだけではメニュー化はできません。誰でもできる内容にする必要があります。特定の先生ができるだけでは、その先生の技術であって、メニューとは言えません。患者さまがその自費メニューを導入した院に行けば、いつでも受けられるメニューにできることが、HONEY-SYSTEMの自費メニューの強みの一つでもあります。

ほ:ここまで徹底されたメニュー作りは石垣先生だからこそできるものですね。女性をターゲットにされているということで、考案された施術内容にはやはり女性の声が大きく反映されているようです。

石:そうですね。施術方法を作る中で、女性の社員さんに実際に施術を受けていただき、意見を取り入れています。ただし、先入観を持って受けてしまうと施術をきちんと判断できなくなるので、その点は気をつけて、客観的な意見から判断しています。

ほ:HONEY-SYSTEMの自費メニュープログラムはただメニューがあるだけではなく、マニュアルやツールなどもついていますね。この業界では珍しいように思われます。

石:はい。施術方法のマニュアルやそのメニューに関する基礎知識もまとめてパッケージ化しています。施術DVDもありますので、動画を見ながら自院で繰り返し復習していただけます。

より先生方に手軽に導入いただけるよう、ツールにもこだわっています。ポスターやリーフレットといった告知ツールはもちろん、回数券などもメニュー毎に制作し、パッケージに含んでいます。「これがあったら!」というものを全てパッケージ化していますので、是非そのまま取り入れていただきたいです。

=============
これまで多くの患者さまに触れてきた石垣先生。今でも施術方法の模索に余念がありません。そんな石垣先生でも一つのメニューを掲げるために、ニーズの調査、施術内容考案、マニュアルやツール制作など、膨大な時間が費やされています。現場で活躍する先生方が一から行うには困難と言えるでしょう。インタビューの日にも次回の自費メニューテーマが決まり、施術内容の考案に取り組まれていた石垣先生。お忙しい中、貴重なお時間、お話を聞かせていただき、ありがとうございました。

HONEY-SYSTEM:HONEY-STYLEと連動した鍼灸接骨院のためのマーケティングソリューション。
HONEY-STYLE:鍼灸接骨院を利用する患者さまをサポートするヘルスケアブランド。

ほねアカチャンネル
【提供しているチャンネル】
ほねアカチャンネル

柔道整復師の道しるべとなる:ほねつぎアカデミー運営部から、療養費・技術・経営・開...[つづきをみる]