接骨院白書WHITE PAPER

2017.06.13

第13回社会保障審議会医療保険部会 あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会

平成29年3月1日(水)13時よりTKPガーデンシティ永田町ホール2Aで第13回あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会が開催されました。 【議題】 〇療養費検討専門委員会におけるこれまでの議論・主な論点(案) 【事務局提出資料】 あ-1・2 これまでの議論を踏まえた主・・・

平成29年3月1日(水)13時よりTKPガーデンシティ永田町ホール2Aで第13回あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会が開催されました。



【議題】
〇療養費検討専門委員会におけるこれまでの議論・主な論点(案)


【事務局提出資料】
あ-1・2 これまでの議論を踏まえた主な論点(案)


◇総論
(1)柔道整復療養費との関係

柔道整復療養費と平行して、あはき療養費の不正対策についても検討・強化することについて、どう考えるか。
(2)保険者機能の強化と厚生局における指導監督の必要性

不正対策について、まずは保険者機能の強化を図るべきという意見と、平行して地方厚生局による指導監督を行うべきという意見について、どう考えるか。
(3)代理受領と受領委任

代理受領であっても保険者機能を強化することにより、保険者が施術者を直接指導監督する方が効果的であるという意見について、どう考えるか。

代理受領から受領委任となった場合、協定・契約によりルールが明文化されるとともに、請求者が施術所とされ、施術者に対する指導監督が行われることとなることについて、どう考えるか。
(4)あはき療養費の不正対策

あはき療養費について、不正を減らし質の高い施術を確保するため、不正対策や指導監督の強化などの見直しを総合的に行うことについて、どう考えるか。



◇各論
(1)患者本人による請求内容の確認

架空請求・水増し請求を防ぐため、患者本人による請求内容の確認を徹底することとしてはどうか。
(2)医師の同意・再同意

虚偽理由による保険請求を防ぐため、患者本人による請求内容の確認を徹底することとしてはどうか。
(3)長期・頻回の施術

1年以上かつ16回以上の施術について、支給申請書に施術の必要性を記載させるとともに、患者の状態を記載させ、疾病名と合わせてその結果を分析した上で施術回数の取り扱いについて検討することとしてはどうか。
(4)往療

往療料の不正を減らすため、支給申請書に同一日同一建物に往療した場合の記載と、施術した場所を記載させる欄を設けることとしてはどうか。
(5)療養費の審査体制

審査体制を強化するため、審査会を設置して審査できることとしてはどうか。

審査のシステム化について、どう考えるか。
(6)地方厚生(支)局による指導監督

受領委任制度を導入することにより、地方厚生(支)局による指導監督を行えるようにすることについて、どう考えるか。
(7)施術管理者の登録・要件の強化

受領委任制度を導入することにより、施術所・施術管理者を登録する仕組みや、施術管理者に研修受講や実務経験の要件を課す仕組みとすることについて、どう考えるか。
(8)償還払いに戻せる仕組み

受領委任制度を導入した場合、問題がある一部の患者について償還払いに戻す仕組みについて検討することとしてはどうか。
(9)償還払い・代理受領・受領委任

償還払いよりも、代理受領・受領委任の方が、架空請求や水増し請求が増えるとの指摘があることについて、どう考えるか。

償還払いよりも、代理受領・受領委任の方が、給付費が増えるとの指摘があることについて、どう考えるか。

償還払いよりも、代理受領・受領委任の方が、患者の利便性が高いとの指摘があることについて、どう考えるか。
(10)保険者の裁量

いかなる支給方法にするかについては保険者の合理的な裁量に委ねられていること、受領委任制度は保険者が地方厚生(支)局・都道府県知事に委任することが端緒とされていることについて、どう考えるか。

あ-3 参考資料
◇あんまマッサージ指圧、はり・きゅうに係る療養費の概要

◇療養費の推移

◇療養費支給申請書(あんまマッサージ指圧)からみる受領状況の分析

◇療養費支給申請書(はり・きゅう)からみる受療状況の分析

◇療養費の請求方法等の比較

◇療養費【医療費】の保険者別カバー率(平成26年度)

◇保険者別代理受領取扱い状況(あん摩マッサージ、はり・きゅう)

◇都道府県別保険者別代理受領取扱い状況一覧(あん摩マッサージ、はり・きゅう)

◇療養費(医療費)に占める代理受領の取扱い状況(平成26年度)

◇後期高齢者に係るあはき療養費の不正請求等の状況

◇後期高齢者に係るあはき療養費の不正請求等の状況(都道府県別)

◇不正請求があった場合の対応

◇受領委任制度と不正・給付費の関係

◇柔道整復療養費について地方厚生局が行っていること

◇柔道整復師に対する指導・監査等の実施状況(厚生(支)局別)

◇柔整審査会、保険者等、地方厚生(支)局への情報提供の流れ



【高知市健康福祉部長 村岡氏 提出資料】
1.不正対策の強化等について
①療養費の支給といっても、柔道整復療養費とあはき療養費には、医師の同意などその手続きには違いがあり、あはきにはあはきでできる対策を速やかに導入していくべきと考える。

②あはき療養費の給付対象者については、高齢者が多く、疾病状況から長期頻回の施術が課題となってきている。現在の医師の同意書には、施術の内容を担保するものではないことから、特に施術の内容が、療養費支給の主旨である健康の回復を目的とするものか、療養の維持を目的とするものか等が曖昧で判断に迷う事例もあり、口頭同意ではなく医師の再同意の在り方も、見直しが必要であると考える。

③往療料の不正対策については、新聞報道にあるような複数の保険者にまたがる往療料の重複請求は、いくら保険者機能を強化しても是正することはできない。そのため、電子レセプト化などにより、保険者を超えた審査ができる仕組みを構築すべき。

④審査会については、審査手数料の問題など、費用対効果を十分に検討したうえで判断すべきと考える。
2.指導監督権限について
あはきの不正問題が社会問題化している中で、あはき療養費に関して国や都道府県、保険者のどの機関にも施術所に対する指導監督権限が無い事は、極めて異常な事態と考える。何らかの方法で、速やかに指導監督権限を付与する仕組みを導入すべきである。

あはき療養費の約4分の1を占める市町村国保保険者の中には、指導監督権限強化のために受領委任制度の導入を求める声も相当程度あることから、受領委任制度を導入することも不正対策を強化する一つの方法と考える。

ただし、導入にあたっては、

①前述のような不正対策の強化等が確実に行われること。

②市町村国保保険者や後期高齢者広域連合には、導入の意見がある一方、償還払いしか認めないなど、導入には反対の保険者もあることから、療養費の支給が、保険者の合理的な裁量に委ねられていることを踏まえ、同意が得られる保険者から実施されること。

③あはきについては、柔道整復とは違い、療養費の請求割合が低いと思われることから、不正請求が認められた場合には、施術所に対しては、より実効性のあるペナルティ(行政処分)が課せられる仕組みを構築すべき。

などの対応が求められる。

以上、これらの総合的な不正対策の実施や柔道整復療養費で検討がすすめられている各厚生支局による指導・監査を強化することと合わせ、あはき療養費についても受領委任制度を導入していくことが必要と考える。


【新潟県聖籠町町民課長 宮澤氏】
1.不正請求の現状と対策の強化について
あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費において不正請求が発生していることは事実であり、本町においても不正や不正が疑われる事例は見られる。

特に、あんまマッサージ指圧については往療料の不正が疑われる事例が多く、実際に、不正が疑われる事例について被保険者に問い合わせ、確認を行う場合がある。

このように、保険者が不正請求を見逃さないようにすることは重要だが、一方で、そもそも不正請求の起こりにくい仕組みにすることも必要である。
2.指導監督権限の強化について
現行では、不正が発覚した場合に、返還金を請求する以外に罰則を課すような仕組みが設けられておらず、実質的に、一部の不正を行っている施術者が不正請求を繰り返すことのできる環境となってしまっている。そうしたことから、予防面での不正対策とあわせて、統一的に指導・監督を行い、罰則を課せる仕組みを設ける必要があると思われる。

その際には、受領委任制度を導入し、地方厚生(支)局による指導・監督の仕組みや、受領委任協定・契約に基づく施術所・施術管理者の登録の仕組みを設けることも、1つの有効な手段となり得る。



【議論における意見】
〇医療費がこのままの現状でいいのか、という問題定義がされ、ここに至っていると考える。不正があっても現状を維持することでは国民の同意を得られないと考える。

償還払いが原則とはいえ、現状の支払いは保険者の判断のもとで代理受領を行っている。資料を見ると、8割近くの保険者、9割以上のお金が代理受領によってなされている。超高齢化社会になった今、あはきのニーズは増えていくだろう。仕組み作りは必要と考える。
〇医師の同意、再同意の在り方について、患者が行うことが望ましいのか、この場に出ていないが、患者の意見も参考にするべきでは。
〇往療料の件について、書類の新様式が出されており、建物の記載欄があるが、欄を設けても記載しないことが考えられる。
〇往療料を算出しているか、チェックする保険者を超えた仕組みの構築が必要だ。
〇同意書を作成する医師について、専門性の担保が必要。皮膚科や眼科の同意書があっても仕方がないのではないか。
〇広告規制もしっかりするべきではないか。
〇各保険者が指導監督をするには、難しいという方が90%を超えている。厚生局を入れたほうが、それぞれの担当者がいろんな視点で見ていくということで効果的な適正化につながると考える。
〇審査基準、判断基準をできるだけ明確にしてほしい。実際の審査では医師の同意などから審査を行っている部分もあるので、同意書の内容をより具体的にしてほしい。同意書への記載要綱を国からはっきり示してほしい。
〇審査委員会を設置するのであれば、構成についての標準を設けて審査委員会の権限についても明確にしてほしい。
〇支給申請書の電子化については早急に検討して、効率的な処理ができるようにしてほしい。
〇不正対策として考えるのであれば、すべて償還払いに戻すことが一番良い。広島の事例からもわかるように、償還払いにして保険者機能を強化すれば保険者が指導監督ができる。
〇整形外科の者だが、患者さんから前もって同意書を求めてくる人はいない。周りに聞いてもないという返答が返ってくる。医師だから何科でもいいという意見もあるが、運動器はやはり整形外科が妥当と思う。事務局として何科が同意しているかを調べてほしい。


【参考】第13回あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会 議事

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